きっと偶然じゃない。〔赤〕 (ページ12)

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夏休みの海でちょっとAちゃんのことを

知ることができたんや

泳げないこと

朝が弱いこと

授業中よく寝てしまうこと

小瀧とは中学が同じこと

本当はもっとたくさん知りたい

夏休みが明けた日から積極的に話しかけた

でも緊張してかうまく喋れんかった

ある日の帰り道、

駅の近くの公園に猫がおって

全然動かんくてコンビニでエサと水を買った

そんな時、「しげ？」なんて呼ばれて

振り返ればAちゃんやった

俺が名前を呼んだことにビックリしたのか

少し耳が紅くなったのが見えた

そんな反応されたら

男はアホやから期待してまうねんで？

俺の隣に座って猫を撫でる手が

ちっこくて白くて優しくて

上から手を重ねたくなった

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淳「なぁ、しげ？」

「んー？」

淳「新政Aちゃんって知っとる？」

「、、え？」

淳「いや、この前図書室来てさかわええなぁって思ったから知り合いなんかなって」

「いや、あんまり知らんなぁ」

なんで俺は淳太に嘘をついたんやろう

淳「彼氏とかおるんかな？」

そんな事を言う淳太に

俺、好きやねんけどなんて言えんかった

「好きなん？」

淳「まぁ可愛いと思うけど今は好きとはちゃうからなぁ(笑)でも好きになってまうかもしらんけど」

" 今は "

そんな淳太の言葉が引っかかる

やって

淳太になんて

敵わへんやんか

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