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俺がこの子に気づいたのは
入学してすぐの事やった
遅刻しそうでチャリを爆走してる中
ゆったりイヤホンをして歩いてる子がおった
自分遅刻やんって思いながらも
俺はその子の横を猛スピードで駆け抜けた
なんとかギリギリ間に合って
授業を受けながら窓の外を見ると
さっき抜かした女の子やった
それでも彼女は急がんと
のんびりと歩いてる
「なんや、流星みたいやなー」
そんな流星も自分の席で寝ている
それから何回か駅から降りてくる
彼女を見かけることが増えた
特に誰かといるわけやなくて
挨拶もされたら返すくらいの
静かな子なんかなぁって。
でも小瀧といるときは楽しそうやった
笑うと出る八重歯に「かわいい」なんて
思うようになっとった自分がおった
それから俺はようもないのに
Aちゃんのクラスに行き
あ、今日は遅刻してないやん。とか
今日は来んかったなぁ。とか
気づけば目で追うようになっとった。
小瀧と付き合ってるなんて噂が出た時も
ちょっとショックやったんやけど、、、
その後の夏休みで海に行った時
Aちゃんに初めましてって
言われた時「あ、俺の事知らんやん(笑)」なんて
ちょっとでも視界におったらいいなぁなんて
思ってた自分がアホやと思った。
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作者名：のん | 作成日時：2018年5月15日 18時
