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隣にいる君が夢じゃなかったと思わせてくれる


それは懐かしさと愛おしさ



握ってくれる小さなその手は

朝起きればそこにはなくて





「もう離さんとってな?」




『淳太くんもね』






なんて返事が返ってくる





「起きてるなら言えや」


『今起きた笑』





なんて笑ってる君がやっぱり好きで






『ご飯食べよっか』






そう言って布団から出てくのも今は寂しくて

でも、" まだ "なんて言えんくて...






『台所借りていい?』


「ええよ」






台所に立つ君は懐かしくて

あの時より手際も良くて

知らない時間が嫌になる






そういえば俺まだ言うてへんかったな







「なぁ、A」


『んー?あ、卵割れた、ごめん(笑)』


「そんなんええよ」






人の話聞いてないのも昔からやんな







「昨日言えへんかったけどさ」


『うん?』


「好きやで、ずっと好きやったで。忘れたことなんか一回もない。俺の知らんお前が居るの嫌やねん。離れてた時間ちゃんと埋めてこうな?」







こっちを見たかと思えば






『淳太くん、そんなに重かったっけ?』





なんて笑った






「俺も初めてやわこんなん(笑)そうさせたのはお前やけどな」


『そっか(笑)淳太くんの初めてもーらい!笑』





勝ったかのように笑ってるけどまだまだやで









「まぁ、俺もAの初めてもらってるけどなぁ」









なんていえば『淳太くんっ!』なんて怒りながら


顔を真っ赤にしてる





俺は仕事やから駅までしか一緒に行けん




「あ、せや、番号聞いてええ?変わってるやろ?」


『あ、うん。淳太くんも変えた?』


「おん、最近やけどな(笑)」


『使えてるの?スマホ』


「バカにすな」


『はーい、番号は090〜、これでLINEやっといてね』









そんな事をしながら駅で別れる









『私、淳太くんしか知らないから。全部が淳太くんが初めてだから』









じゃ!お仕事頑張ってね!と









改札で別れた君は確信犯









「なんやねん、もう...」









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作者名:のん | 作成日時:2017年5月18日 1時

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