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飛「本日はありがとうございました」
お別れの時間
「こちらこそ、ありがとうございました」
あの後、私は飛貴くんと約束をした
“俺が会社継ぎたくないって言ってたこと内緒にしててほしい。
その代わりと言ってはなんだけどAちゃんが誰かに恋しちゃってることは誰にも言わないから！”
って
“恋”とは何か
正直まだ分かっていない
私は本当に廉が好きなのかな
父「飛貴くんはAには勿体ないくらいのいい男だ
しっかりして責任感もありそうだ
きっと将来うちの会社のために役に立ってくれるだろう
Aは飛貴くんを妻としてこれから支えるんだぞ」
車の中で父に言われる
私の父が認めるほど飛貴くんはすごい人なんだ
「本当に…私には勿体ないくらいです」
みんなから期待されてて
でもその期待が飛貴くんを苦しめてるんじゃないかな
なんて
何も知らない私に言える話ではない
けれど彼と私はどこか似ているような気がする
私も彼も、親を偽ってる
自分をも偽ってる
父「あの男とは…ちゃんと切ったんだろうな」
「え？」
突然言われた言葉に理解できなかった
あの男とは
父「この前居た庶民の男だよ」
廉のことだ
切ったというか
「彼と私は元々そういう関係でもありませんし、もう話していません」
父はいつまで疑うつもりなのだろう
父が私の中から廉を追い出していない
私はそう思うことにした
別に好きなんかじゃない
廉なんて
最初から好きじゃない
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作者名：なな x他1人 | 作成日時：2018年9月15日 22時
