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紫耀お兄様の言い方はまるで飛貴くんをものとして扱っているようだった
「そんな、人を物みたいに…」
紫「正直に言うと彼は物のようなものなんだけど」
って
それは違うと思う
「撤回してください」
いくら紫耀お兄様の言うことでもそれは間違っている
けれどもお兄様は言う
紫「撤回も何も事実なんだからしょうがないだろ?
まぁ、婚約者を悪く言われていい気分はしないだろうから、そこは謝るよ
ごめんな」
私が謝って欲しいのはそこではない
婚約者云々ではなくて
飛貴くんをもっとちゃんと見て欲しいってことだ
しばらく沈黙が続く
そんな重い沈黙を破ったのは紫耀お兄様の一言だった
紫「あ、あれ廉くんじゃない?」
「え?」
“廉”という言葉に思わず反応してしまう
確かに車の外には歩いている廉がいた
歩いてたんだけど…
紫「なーんだ、彼新しい彼女できたんだ」
「…そうみたいですね…」
廉は女の子と歩いていた
しかもその女の子っていうのは
咲希だった
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作者名:なな x他1人 | 作成日時:2018年9月15日 22時