拝啓10 ページ10
「ごめん山下さん、勝手について行っちゃって…」
彼女たちが立ち去ってから本肝くんはうなだれるように謝る
実際、私は彼がきてくれて助かった
あの子たちは多分あのまま私1人だったら確実に危ない方向に走っていただろう
「別に謝らなくてもいいわよ、助かったわ本肝くん、ありがとう」
「モトキでいいよ、みんなからそう言われてるし」
じゃあ、モトキくんで
昼休みが終わったというチャイムが鳴るまで2人でいろんなことを話し、少し彼と仲良くなれたような気がした
.
「…また、きたんですか」
夕陽の光が逆光になって顔がよく見えないが男子の割には身長が低いシルエット。
「うん、またきた」
絹張くん
今日は先生が突然の出張らしく部活がOFFになったと彼は机に突っ伏しながらぼやく
彼は運動神経がいい
男子の間で結構注目されている
「今日はFischer'sで動画は撮らないんですか?」
「撮るよ、でもメンバーとの集合まであと何時間かあるの」
なるほど、つまりは暇つぶしの相手をしろと?
うん、俺結構山下さんと話すの好きだよ
そう彼はニコ、と目を細める
この人少しあざといな、とその要領のよさが羨ましく思う
「…あのさ、山下さんに実は相談があって」
「私に?」
絹張くんは真剣な目で頷く
「私じゃなくてマサイくんにでも…」
「山下さんじゃなきゃダメなんだ!」
勢いよく立ち上がり彼の大きな手が私の手を包み込む
「お願い、相談のって…!」
その真剣な表情に圧倒され私は首を縦にふる
それに彼はホッとしたように元の場所に座り私の目を見つめる
「…俺ね、気になってるやつがいるんだ」
今の言葉でさえ驚く要素はあるのに次の瞬間私は今すぐにでもここから出て行きたい気持ちになった
「その人は、山下さんがよく知ってる人」
どうして
「その人は」
やっぱり、私は報われない
____俺、やっちゃんが好きなんだ
213人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し44007号(プロフ) - 萌えた (2020年11月2日 20時) (レス) id: a65d50dadd (このIDを非表示/違反報告)
みはね - この小説大好きです!文才ありすぎです!どんどん読めちゃいます!忙しいと思いますが、更新頑張ってください!!! (2017年9月7日 22時) (レス) id: d6b4a08c70 (このIDを非表示/違反報告)
トドロキ(プロフ) - アイスてぃー。さん» いえいえ、こちらこそありがとうございます^^ (2017年8月19日 13時) (レス) id: 9301eeba06 (このIDを非表示/違反報告)
アイスてぃー。(プロフ) - トドロキさん» すみません!確認したところ、確かにそうでした!次回編集した時に書き改めます!ご注意くださりありがとうございました!! (2017年8月19日 13時) (レス) id: fde611bcb7 (このIDを非表示/違反報告)
トドロキ(プロフ) - モトキの苗字は本肝だった気が…?勘違いでしたらすいません!更新頑張ってください (2017年8月19日 13時) (レス) id: 9301eeba06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アイスてぃー。 | 作成日時:2017年7月4日 3時