絶対零度の死神

10人目　復讐 ページ10

――コンコン


「誰だ!」

「…零一郎です。」
「れ、零一郎様!?
　外は危険です!中へ入ってください!」

そう言って、部下はドアを開けてくれた。
零一郎は拳銃を背中に隠しながら入る。

「零一郎!どうしてここに…。」
「心配になったから。
　…薬師さんは?」
「殺し屋と互角で戦っているようだ。」
「…へぇ…。
　 丁度よかった。」

零一郎はすかさず部下の足を払い、身動きが取れないように馬乗りする。

「殺し屋と互角で戦っている人とやりあいたくなかったんだ。」

銃口を部下の額に突きつける。

「――さよなら。」








銃声が鳴り響く。








「――零一郎?」

総汰は動揺していた。
信じられないものを見るかのように、零一郎を見る。

「…話してもらおうか。
　父さんと母さんを殺した理由を。」

零一郎は、顔についた汚れを拭いながら言う。

「…聞いてたんだ。さっきの話。」

銃口を、総汰に向けた。







――信じていたのに。









「……話してくれ。全部。」

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