超電磁砲6 〜月下獣〜 ページ8
ガタン!
急に耳に届いた音に神経過敏になっていた敦の肩は跳ね上がる。
敦「今…其処で物音が…!」
貴「そうだね。風で何か落ちたんだろうね」
敦「…ひ…人喰い虎だ!僕を喰いに来たんだ!」
敦は動揺を隠せない。
すぐ側に人喰い虎がいるかもしれない様なこの状況にも、
そんな中一人冷静な夜月にも。
貴「落ち着きなって敦君。虎はあんな処からは来ない」
敦「どうして判るんです!!」
敦の少し怒気を含んだ問いかけに、夜月はふぅ、と一息ついて答えた。
貴「そもそも変なんだよ敦君。
普通保護施設が児童を追放なんてするかな?大昔の農村じゃないんだから。それに、経営が傾いたんなら、一人二人追放したところでどうにもならない。半分くらい減らして、他所の施設に移すのが筋だ」
吸い寄せられる様に敦が月を見上げる。
月と目が合う。
貴「君が孤児院を出たのが2週間前」
ードクン!!!ー
心臓が脈打つ。
貴「虎が前に現れたのも2週間前」
敦の中の"人間"が崩壊していく。
貴「君が鶴見川べりにいたのが4日前。
同じ場所で虎が目撃されたのも4日前」
敦の身体がどんどん人ならざるモノに侵食されてゆく。
貴「国木田君が云っていたろう、「武装探偵社」は"異能"の力を持つ者の集まりだと」
もう彼に夜月の声は届かない。
貴「その力で成功する者も居れば」
"敦"はとうに消え失せ…
貴「制御出来ずに身を滅ぼす者もいる。
…大方、施設の人は君の"正体"を知ってたけど、君には教えなかった。だから君だけが判っていなかった」
代わりに其処に居るのはー
夜「敦君、君も異能の力を持つ者だ。
現身に飢獣を降ろすー」
"白虎"の鋭い瞳が夜月を捉える。
貴「…月下の能力者…」
敦(虎)「グオオオオオオオオオオオ!!」
飢獣が爪を振りかざしながら襲いかかってくる。
夜月は身体を反らし虎の爪を避けたが、後ろに在った大きな木箱や長い鉄パイプは一瞬で粉々に砕けた。
貴「…凄い力だ。
今のでどれくらいの人間が一気に死 んじゃうんだろうね?」
夜月はただ無表情に白虎を見据えている。
虎が吹き飛ばしてきた鉄パイプを避けるため、後方に勢い良く跳躍する。
だがー
貴「あれ?」
もう逃げ道は無い。
目の前には人喰い虎。
真後には倉庫の壁。
貴「…こんな格好良い死 に方なら、文句は無いかな。でも…
"今の"君じゃ私を殺 せない」
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稲荷神(プロフ) - あの…せめて御坂美琴にしません?話の原点づれてますよ。 (2020年2月29日 15時) (レス) id: 1d66bb4671 (このIDを非表示/違反報告)
文スト、とうらぶ好きの審神者夜霧様 - 話はいいですが名前の固定が治ってませんよ (2019年2月4日 8時) (レス) id: aa64b13255 (このIDを非表示/違反報告)
植物回路 - (すみません、途中でコメント切れました)しれません。ごめんなさい。 (2018年7月28日 18時) (レス) id: 64f5262171 (このIDを非表示/違反報告)
植物回路 - 貴重なご意見ありがとうございます!名前変換出来る友達に聞きに行ってくるので少し時間が掛かるかも (2018年7月28日 18時) (レス) id: 64f5262171 (このIDを非表示/違反報告)
かの - 名前の固定変えてください。 変え方を調べるなりなんなりして固定を変えてください (2018年7月28日 16時) (レス) id: 7efa097657 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:植物回路 | 作成日時:2018年6月6日 18時