宿儺の器2 ページ10
「え？」
ピタリと動きを止める自分。
先輩はさっきのような少しおちゃらけた雰囲気ではなく真剣な表情だった。しかもフルネーム。
「虎杖くんは、宿儺の器って聞いてね」
「…えっと…まあそう…っすね…」
そっか、A先輩も知ってたんだ。
またなんか言われたりすんのかな。
俺の事怖かったりすんのかな。
…嫌だなぁ
そんなふうに思っている自分に気がついて、少し驚いた。
自分はこうも他人にどう思われるか気にする性格だっただろうかと。
でもあの時伏黒を助けるという選択をした自分に後悔したことは無いし、もう一度あの日に戻ったとしてもきっと同じ行動をする。まあ呪いのことを知った今ならもうちょい冷静に考えれるかも知れないけど…
「これ言ったら虎杖くんに悪い思いさせちゃうかもしれないんだけどさ、一個だけ伝えたくてね」
「…」
なんて言われるのかな。
秘匿死刑のことについて？
俺が宿儺を制御できている証拠？
俺は本当に今生きていていい存在なのかとか？
…もう、会いたくないとか…？
どれを言われても、笑って応えられる自信が無い。
何故出会ってほんの数十分映画を一緒に見ただけの先輩にここまで嫌われたくないと思っているのか自分でもわからなかった。
唇を少し噛み締めて、もし心が傷ついても大丈夫なよう予防線を張るみたいに、覚悟を決める。
「私の可愛い後輩クンを助けてくれてありがとうね」
「ッ……えっ…？」
思考が止まった。
あれ？今、俺の目の前にいて優しく微笑んでいる先輩は今、なんて言った？
ありがとう？
助けてくれて？
そんな馬鹿な。
だって俺が余計なことを言って伏黒と争ってたせいで、呪霊に気づくのが遅れて釘崎が呪霊に呑まれた。
俺がなんの縛りもなしに宿儺に変わったせいで伏黒は死にかけた。
どうして助けたなんて、お礼なんて、
「…違います先輩。俺は、助けた、なんて…こと、俺が指を飲んだから、それで…伏黒は…違う、伏黒に迷惑かけて」
思考が上手くまとまらないせいでしっかり話せない。頭の中がごちゃごちゃしてる。
よくわからないけど頭の中でわぁーーーんと音が鳴っている気もしてきた。視界がぐるぐる回ってないのに回っている気がする。
先輩はなんにも悪いことなんて言ってない。直接俺が辛くなることなんて一言も言ってない。なのになんで。
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蘆花(プロフ) - MR サナリアさん» 癒しになりましたか！良かったです！！全然今リクエストは受付中なのであったらお待ちしてますね！いつもコメント嬉しいです！ (5月4日 12時) (
レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» ご期待に添えたみたいで良かったです〜！私も書いててめちゃくちゃ癒されました…！ありがたいリクエストでマジでありがとうです(？) (5月4日 12時) (レス) @page46 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - ページ46.癒しをありがとう… (5月4日 11時) (レス) @page46 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
すずか(プロフ) - ぬわぁぁぁ可愛い！！！😇リクエストこたえてくれてありがとうございます！！ (5月4日 9時) (レス) @page46 id: b61b0297d7 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» 初コメありがとうございます！何それ可愛い…癒される…！本編と比べると平和すぎ〜…！ (5月3日 17時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘆花 | 作成日時：2024年4月14日 22時
