この術式で生き抜け！！

こんにちは ページ8

「えーと…うわさの一年生君だよね、こんにちは」




五条先生の横から出て、できるだけ当たり障りのない挨拶をする。もう一年生の時のようなオタク感満載な自己紹介をするなどという失態を犯したりはしない！！




「あっえっとハイ！虎杖悠仁です！あー…こんな格好ですんません！」


「いやいやこちらこそ突然だったからね、大丈夫」




頼れる先輩感をめちゃくちゃに出す。可愛い後輩にはカッコつけたくなるのが人間というものだ。


すると五条先生がパンッ！と手を軽く叩いて言う。




「それじゃあ僕は一旦抜けるから二人とも、仲良くして待っててね！」


「え？」
「え？」




「若人たちで楽しんで〜」と明るく笑ってルンルンご機嫌な様子で五条先生は扉を開けて出ていってしまった。


一人の活気でわぁーんと響いていた音がなくなりしんとする地下室。
そしてそこに残された私と虎杖くん。




「…どうしよっか」


「そっすね…うーん…あの俺さっきまで映画見てたんすけど、先輩さえ良ければ一緒に見ます…？」


「ほんとに！？ヨシきた見よう！」




コミュ力お化けの虎杖くんのおかげで気まずい雰囲気になる前にすることが決まった。大変ありがたい。




「おお〜！先輩意外と乗り気っすね！」


「映画は嫌いじゃないからね、特にアニメはよく見るよ」


「え意外！ホラー映画全部網羅してますみたいな感じかと思ってた！」


「ホラー映画は見たことないんだよね〜見る前怖さに打ち勝てたことがなくて…不甲斐なしっ！」




そんなふうに会話をしながら虎杖くんが自身でセレクトしてくれたであろうDVDをセットする。
「なんの映画？」と聞くと「ホームア〇ーンっす！」と返ってきた。



ホームアロ○ンってDVDあるのとかいうツッコミはなしだ。映画初心者の私も楽しめるようなものを選んでくれたような気がする。



こういうことを無自覚でしていそうなのが虎杖悠仁。
こういうことをなんの違和感もなくしてそうなのが虎杖悠仁。



みんな大好き主人公とはそういうことです。スパダリ属性
異論は認めない。追加の条件は全然ウェルカムだけど。

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