幼魚と逆罰8 ページ27
「そんな、母ちゃんが....」
順平は、母が殺されてしまったことなど全てをを打ち明けた。
そこで虎杖は提案する。
「順平、高専に来いよ。バカみてぇに強い先生とか、頼りになる仲間がいっぱいいるんだ…すんごく優しい先輩もいるし」
「みんなで協力すれば、順平の母ちゃんを呪ったやつもきっと見つかる。必ず報いを受けさせてやる。」
「一緒に戦おう。」
それを聞いた順平の目には光が戻った。
しかしそんな彼らのことを嘲るように呪いは現れる。
なぜなら、彼は呪いだからだ。
これから始まることに対して、明日を待ちきれない子供のように、そんな笑みを浮かべて。
ニコニコと髪を揺らして階段を降りてくる呪いに気づく虎杖。
「誰だ」
なんだコイツ…人…?違う…この感じ
虎杖は気づいた。
しかし、数秒遅い。
「初めましてだね、宿儺の器」
左腕が大きく変化したかと思うと目にも止まらぬ早さで虎杖に向かっていく。
「待って真人さん!!」
そう叫ぶ順平の声なんぞ聞こえていないかのように、順平の横を勢いよく通り抜けたかと思うと、その腕は虎杖を壁に押さえつけた。
──馬鹿か俺は!!
──つぎはぎ顔の人型呪霊!!ナナミンが言ってたまんまじゃねーか!!!
しかし事が起こってしまった今悔やんでいても仕方ない。この場で最善の選択をしなければ。
「ッ逃げろ順平!!!コイツとどんな関係かはしらん!!」
「けど今は逃げてくれ!!頼む!!」
懇願するように叫ぶ虎杖に困惑しながらも順平は答える。
「虎杖君落ち着いて!真人さんは悪い人じゃ─」
順平の中ではゆっくりと今までの光景が浮かぶ。
記憶が溢れかえる。
人間にあんなことをする人は『良い人』…か?
「悪い…人…」
言葉につまった順平の肩に、真人の手が乗る…
と思われた瞬間にAは動いた。
勿論その場にいる真人、順平、虎杖に気づかれることなどなく全員の頭からは赤い糸がキラリと巻き付く。
そしてその糸はすぐさま、三人の頭から解けてゆく。
何事も起きなかったように真人は続けた。
「順平はさ、まぁ頭いいんだろうね。」
手は撫でるように、順平の背に移動。
「でも熟慮は時に短慮以上の愚行を招くものさ。君ってその典型!」
「順平って、君が馬鹿にしている人間の、その次くらいには馬鹿だから」
「だから、死ぬんだよ」
虎杖の目の前には赤が広がった。
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蘆花(プロフ) - MR サナリアさん» 癒しになりましたか!良かったです!!全然今リクエストは受付中なのであったらお待ちしてますね!いつもコメント嬉しいです! (5月4日 12時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» ご期待に添えたみたいで良かったです〜!私も書いててめちゃくちゃ癒されました…!ありがたいリクエストでマジでありがとうです(?) (5月4日 12時) (レス) @page46 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - ページ46.癒しをありがとう… (5月4日 11時) (レス) @page46 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
すずか(プロフ) - ぬわぁぁぁ可愛い!!!😇リクエストこたえてくれてありがとうございます!! (5月4日 9時) (レス) @page46 id: b61b0297d7 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» 初コメありがとうございます!何それ可愛い…癒される…!本編と比べると平和すぎ〜…! (5月3日 17時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘆花 | 作成日時:2024年4月14日 22時