幼魚と逆罰7 ページ26
簡単に説明するとこうだ。
記憶の糸って言葉あるでしょ。
あれを私の術式でも使えないかって話。
以前自分に向けてやった時は、思い出す方向でやってみて成功したんだけど…記憶を捏造とか忘れさせるのは出来るかわからないから賭けである。
しかし今更そんなこと考えていてももう時間は来ちゃったんだから仕方ない!!
…スゥゥゥ…行くぞっ!!!
──
「母さんも僕も、人の心に呪われたって言うのか...!」
髪で隠れていた傷跡と涙の跡で顔をぐちゃぐちゃにしながら、順平は縋るように虎杖を見つめた。
「そんなの、あんまりじゃないか...」
ふらつきながら、自分が何をしているのかもわからないように地面に手をつきながら立ち上がる。彼の背後に澱月が現れる。
「もう何が正しくて、何が間違っているのかも....」
澱月の触手は虎杖に向く。
しかし、虎杖は少しも動くことはしなかった。
当然、黒くとがったその触手は躊躇なく虎杖の体に突き刺さる。
「なっ、なんで避けないんだよ....」
自分で向けておきながらもどうしていいのかわからなくなる順平。それと共に澱月が消える。と同時に順平はへたりこんでしまう。
虎杖は、右胸から血を流しながら少しずつ順平に歩みよる。床には血痕が滴り落ちる。
「ごめん。何も知らないのに、偉そうなこと言った。」
虎杖は幼い子供にするようにかがみこんで、真正面からスっと目線を合わせた。
「何があったか、話してくれ」
「俺はもう、絶対に順平を呪ったりしない。」
あのとき俺に先輩がしてくれたみたいに、外面だけ見て呪ったりするんじゃなくて、しっかり、相手を見るんだ。
それから、先輩みたいに安心させることは出来ないかもしれないけど、手を、握って。
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蘆花(プロフ) - MR サナリアさん» 癒しになりましたか!良かったです!!全然今リクエストは受付中なのであったらお待ちしてますね!いつもコメント嬉しいです! (5月4日 12時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» ご期待に添えたみたいで良かったです〜!私も書いててめちゃくちゃ癒されました…!ありがたいリクエストでマジでありがとうです(?) (5月4日 12時) (レス) @page46 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - ページ46.癒しをありがとう… (5月4日 11時) (レス) @page46 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
すずか(プロフ) - ぬわぁぁぁ可愛い!!!😇リクエストこたえてくれてありがとうございます!! (5月4日 9時) (レス) @page46 id: b61b0297d7 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» 初コメありがとうございます!何それ可愛い…癒される…!本編と比べると平和すぎ〜…! (5月3日 17時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘆花 | 作成日時:2024年4月14日 22時