鉄骨娘1 ページ17
「伏黒のやつが複雑な術式持ってるって言ってたんで…」
釘崎野薔薇は目の前のA先輩、という人に尋ねた。
質問された当の本人はコチラの方を見て感動したような顔をしている。いやなんでよ
あの死地から帰ってきた伏黒が高く評価しているのだ。気になるのは当然である。それにバレてないつもりだろうけど、アイツだいぶこの先輩に懐いてるみたいだし。
年頃乙女としてはそこも気になるところだが、まあまずは呪術師として呪術のことからだ。ちょっぴり期待しながら答えを待つ。
「どんな術式って言われるとねー…そうだねー…」
…予想に反してまあまあ悩まれてしまった。うーん、と口元に手をやって頭の中を整理しているであろう先輩。
その姿をぼーっと見つめて改めて思う。
─目、キラッキラすぎない!?
少し変わっているともいえる赤眼。
今目の前にいる先輩のその目はキラッキラ輝いているようにしか見えないほど綺麗なのだ。
「怪我をしないと発動しない術式かなぁ…」
「え?」
すると考えが纏まったのかなんでもないかのように先輩は答えた。
「私の術式、血を出さないと糸っていうか…技が発動しないんだよね。だからね…えーっと…あったあった、こういうストックを準備しとかないと失血死しちゃうの」
「ち…血!?」
予想外すぎる答えに野薔薇は困惑した。
つまりそれは自分を犠牲にしなければならないということか。
もちろん呪言師の狗巻棘もいる、しかしそちらは力の差によって起きる代償だ。対してこの先輩はどんな呪霊でも相対したら血を出す必要がある。そんな不便な術式を使っているのか。
そんなの自分が傷つくこと前提の術式じゃないか。そうしてまでこの人は呪霊と戦っているのか。
この人は確実に善い人だ。
「怪我するの普通に痛いから嫌なんだけどね」
「だ、誰だってそうですよ!!どうしてそうまで…!」
「やりたいこといっぱいあったからかな?逆にやりたいことしないと私死んじゃいそうだし」
それだけの理由で!?と言いたくはなるが田舎が嫌で東京に住みたいという理由だけで命を懸けている自分もどっこいどっこいだろう。
もちろん野薔薇的にはそれだけの理由で十分だが、もしツッコんだ後に「じゃあ野薔薇ちゃんはどうして?」と聞かれたら先輩は「変わらなくね??」と思うだろう。さすがに言い返すことはできない。
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蘆花(プロフ) - MR サナリアさん» 癒しになりましたか!良かったです!!全然今リクエストは受付中なのであったらお待ちしてますね!いつもコメント嬉しいです! (5月4日 12時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» ご期待に添えたみたいで良かったです〜!私も書いててめちゃくちゃ癒されました…!ありがたいリクエストでマジでありがとうです(?) (5月4日 12時) (レス) @page46 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
MR サナリア(プロフ) - ページ46.癒しをありがとう… (5月4日 11時) (レス) @page46 id: bd9c6547a2 (このIDを非表示/違反報告)
すずか(プロフ) - ぬわぁぁぁ可愛い!!!😇リクエストこたえてくれてありがとうございます!! (5月4日 9時) (レス) @page46 id: b61b0297d7 (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - すずかさん» 初コメありがとうございます!何それ可愛い…癒される…!本編と比べると平和すぎ〜…! (5月3日 17時) (レス) id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘆花 | 作成日時:2024年4月14日 22時