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真紅の薔薇ふたつ3 ページ42

「ま、まさか……それは……」
「なんだ、今頃気づいたのかい?君はこれを『力強い絵』だって言ってたじゃないか。分かっているものだと思ってたよ。」

リ、リーオックさんまで?!
そんな………!!

リーオックさんの事は、出会ったばかりで僕はほとんど何も知らないし、はっきり言って「殺し屋だったなんてとても迷惑、相打ちにでもなれば良い」って思ってたけど………

「コノハヅキさん………酷いよ………。」
胸の隙間を冷たい風が吹き抜けたようだった。
気がつくと僕は泣いていた。

「あんな男の為に涙を流すなんて、君はやっぱり心が綺麗だね。」
しかし、そんな言葉とは裏腹に、コノハヅキさんの青い目はただ冷たく光っているだけだった。
「ところで、僕が今描いているのは、君をイメージした薔薇だよ。優しくて真面目で、かわいらしかった君を忘れないようにね……。」

コノハヅキさんにそう耳元で囁かれ、僕は息を呑んだ。



その時、ガチャリと扉が開き、白いドレスに身を包んだユウミさんが部屋に入って来た。
僕は一瞬それに励まされて「ユウミさん!助けて!」と叫ぼうとした。

けれども……不思議な事に声が全く出ない。

一方、ユウミさんは僕の事を見ようともしない。
コノハヅキさんの肩にたおやかな手を置いて、楽しそうに絵を覗いているだけだ。
「コノハヅキさん……。あら……さっきのリーオックさんの薔薇も良いですけど、リーハさんの薔薇も素敵ですね……!」
「ああ、でもユウミ。君の美しさに比べたら、こんなもの、その辺の塵芥(ちりあくた)と変わらない。」

うわ、酷い!
僕とリーオックさんの命は(ちり)同然だって言うの?!

ところが、コノハヅキさんの言葉にユウミさんはポッと頬を染めてうつむいた。
「そんな、お上手ですね……。」
コノハヅキさんは、そんなユウミさんの肩にそっと手を回す。
それからユウミさんの首にかかった髪をかき上げ、その白いうなじに口づけを落とした。
「謙遜なんかする必要ないよ。君は僕の全てさ。……さぁ、そろそろリーハ君も永眠(ねむ)る。この絵ももう少しで描き終わる。そしたら出かけよう。」

ユウミさんは長い睫毛(まつげ)を震わせ、潤んだ瞳を開いた。

「コノハヅキさん……私、今が一番……幸せ……」




嘘だ、嘘だ!!!
ユウミさぁぁぁぁぁんんん!!!


僕の耳に絶望の鐘が鳴り響いた。





そしてだんだん目が霞み………



やがて何も見えなくなった。

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設定タグ:冒険 , 殺し屋 , 恋愛   
作品ジャンル:ミステリー, オリジナル作品
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シャーロック - 木の葉月さん» うん、お休み〜また明日ね! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» 全然美人じゃ無いっすよ。ちょっと風呂入って来るんで、また明日話そ。 (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» うわ、結構時間掛かるのね。コノハヅキはびじんだろーな〜 (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)
木の葉月(プロフ) - シャーロックさん» へへっ!30分前くらいに帰ってきたで (2021年4月7日 23時) (レス) id: ac1426199a (このIDを非表示/違反報告)
シャーロック - 木の葉月さん» おお、お疲れ様〜! (2021年4月7日 23時) (レス) id: 00557ff71e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木の葉月&シャーロック x他2人 | 作者ホームページ:https://twitter.com/sherlock_rio?s=21  
作成日時:2020年10月3日 18時

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