【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS (ページ21)

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走馬燈ページ21

「リーハだっけ？危ないから頭を引っ込めとけよ。」
リーフさんと目を合わせたまま、シャーロックさんが僕にそんなことを言う。

えっ、僕がいるってことに気づいてたの？
その前に、二人とも知り合いだったの？
なんでそんなに殺気立ってるの？

どうしてリーフさんは
「コノハヅキ」って呼ばれているの？
なんでシャーロックさんは
「リーオック」って呼ばれているの？

あと、そのナイフ…って、えっ……と、
ご飯を食べるために使うんだよね？

聞きたい事はいろいろあったけど、
情けないことに、僕は大きく体を震わせ、ガクガクと頷いただけだった。
その上足の力が抜けて、僕は床にへたり込む形となった。

自分自身の弱さに愕然とした。

なんで僕はこうなんだろう。
立っていることさえ出来ないなんて……！
二人を止めなきゃ、大家さんも危ないかも知れないのに……。

でも、声が出なくて
「危ないから止めてください！」とすら言えない！
どうしたら良いんだ！？

あわあわしているだけの僕を他所に、リーフさん達の手の中ではナイフが閃き、鋭い光を放っていた。

「今まで散々僕の邪魔してくれてありがとう。すぐにあの世へ送ってあげるよ。」
「それはこっちのセリフだ。お前こそ大人しく往生しなっ！」

そして、次の瞬間。
二人の細長い指からナイフが飛んだ。
銀の光が優雅に弧を描き、僕の頭上を……

え？

僕の頭じょぉぉぉっ？？？！！！

二人はお互いを狙って真っ直ぐナイフを投げたのだと思っていたので、２本とも頭上に飛んで来たのは、本当にショックだった。

待って、待って、なんで僕が？？
嘘でしょ？？

ぎゃあああああああああああああ！！

僕は声にならない悲鳴を上げた。

それから、とっくに忘れていたような小さい頃からの風景が、パタパタと僕の目の前に現れては消えていった。

ああ、これが走馬燈と言うやつか………

ということは、死ぬのか、僕。

お母さん、最後の電話があんなでごめんね。
でも、レタスはどうしても嫌いだったんだよ…

おじいちゃん、僕もうすぐそこに行くよ……
約束果たせなかったけど、許してね…

僕は薄れゆく意識の中で、そんな事を考えた。