【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS (ページ20)

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殺気のダイニングルームページ20

ガチャッ
「失礼しまーすって....え？何？」

扉を開けると、ダイニングルームには妙な空気が漂っていた。
いや、「張り詰めていた」と言う方が正しいのかな。
ピリピリと何かを感じるのに部屋はしんと静まり返り、まるでお化け屋敷のような雰囲気になっている。
カーテンは開いているから明るいけど。

不思議に思いながら部屋に一歩踏み出すと、僕の背筋は急に冷たくなり、手足には原因不明の鳥肌が立った。

えっ、何これ怖い！！

怖い！！

僕は、まるで訳が分からないのに、呼吸がどんどん浅くなり自分の体が小刻みに震え出すのを止められなかった。

一体どうしたんだ？！

ふと顔を上げると、テーブルについたリーフさんとシャーロックさんの姿が目に入った。

ホッとしたのも束の間、僕はギョッとして固まった。

二人が……睨み合っている。

もう一度言おう。

リーフさんと、
シャーロックさんが、睨み合っている(・・・・・・・)。

音もなく、視線だけで火花を散らし、炎を巻き上げ、
全てを焼き尽くすかのように。

互いに底の見えない闇のような目をして……。

途端に僕の頭の中で警告音が鳴り響いた。

"リーハ、大変だ……！！

今すぐここから逃げろ！！

動け、リーハ！大家さんも危ない！！

連れて逃げろ！今すぐ！！"

そう、この部屋に満ちている空気の正体は……
殺気だ(・・・)！！！"

しかし、意思が体に伝わらない。
足に力が入らない。
目に見えない拘束でもされているかのようだ。

……そうなんだ、僕はもともとこんな緊張には弱い！！
強かったら試験に受かっているよ！！

僕は呆然と、マヌケにその場に立ち尽くしていた。

「ここで会ったが百年目、だな？コノハヅキ。」

「そうだねぇ。異論はないよ、リーオック。
僕もこの日が来る事を楽しみにしていたから。」

リーフさんがシャーロックさんに向かい、
氷のような微笑を浮かべる。
艶やかな楡の木のテーブルに、
リーフさんが組み合わせた長く白い指は良く映えた。

「白黒つける時が来たみたいだね。」
「はっ！お前なんかミンチにしてやるよ。」
答えるシャーロックさんも笑顔だった。

そして二人は、白いナプキンの上に置いてあったナイフを手に取り、ゆらりと立ち上がった。

動物の威嚇を人間に置き換えると、
該当する表現は笑顔だと誰かが言っていた。
戦いの合図、敵意の告示が親愛の形と同じなのだとか。

今の二人は、まさに牙を剥いた猛獣そのものだった。