【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS (ページ34)

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激戦地よりページ34

コノハヅキさんの言ってる「壁の穴」って、今朝リーオックさんが「事故であいた」って言ってたヤツの事だよね、多分。
やっぱり事故じゃなかったんだ。
銃がどうのこうのって言ってるし……。

コノハヅキさんも、リーオックさんの部屋に何を入れたんだろうなぁ。
普通の人達が暮らしてるって自覚があるなら、この戦いを止めてくれても良さそうなのに……。

僕の３号室は、階段から一番遠い場所にある。
それなのに迷惑なこの二人は、１号室の前の廊下を激戦地に変えてしまっているのだ。
巻き込まれない為にはどうしたら良いんだ？？３号室には、どうあってもこの二人を乗り越えて行かなきゃたどり着けないわけで……。

……あぁ、もう、お腹痛い！
早く部屋に行きたいのに……！
ううううう……っ！
僕はあまりの痛みにその場に座り込んでしまった。

一方、二人の戦いはまだまだ収まりそうにない。
「俺の脳がカビてるだって？？バカ言え！！お前のなんて腐ってるだろ！！」

悪い事に、前よりも白熱している気がする。
だってリーオックさんが、コノハヅキさんに目潰しを仕掛けてるもの。
もちろん、コノハヅキさんはすぐに避けて、リーオックさんの急所へストレートパンチという反撃に出た。
「カビてるかカビてないかは、すぐに僕が確認する！安心したまえ！」
「俺も、お前の脳味噌が腐ってないか確かめてやるよ！結果はお前の墓前で報告するぜ！」
リーオックさんはそれを巧みに躱(かわ)してまたキック……。

あああ……お腹が痛いのに…
戦ってて良いけど、せめて僕を部屋に行かせてくれよぉ……。
僕がまたランチの時のように、惨めで泣きそうになっていた、その時。

小さな花束を抱えたユウミさんが、階下からやってくるのが見えた。

僕は急いで立ち上がり、シャンとする。
見れば二人も、ユウミさんの足音を聞きつけたようで動きを止めていた。

良かった……。
ユウミさんは、僕の救世主だよ……。

しかし、「これで二人も部屋に大人しく戻るだろう」という僕の予想は見事に裏切られた。

二人は、あろう事か廊下の突き当たりの窓へ駆けて行って……そこから飛び出したのだ。

「……………？！？」
あまりの衝撃に言葉が出ない。

窓はやっと人が一人通れるほどの狭さで、しかも窓辺の細長いスペースには、花をいけた花瓶が置いてあった。
なのに、二人共それを落とす事なく一瞬でするりと……

えっ、………ちょっと待って？

うわぁぁ！！
ここは三階だよーーーっ！？