音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ38)

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◇ わかってないよねページ38

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(結構遅くなったな……)

Aは少し走りながらそう考える。
いつものように親の仕事の手伝いをしたら部活に行くのが遅くなってしまった。

染岡のことも、みんなのことも、色々考えながら走っていると河川敷の橋の所に着く。

そしてその真ん中に、見覚えのある男子が見えた。
その特徴的な髪型で分かる。豪炎寺だ。

「――― なーにしてるの？」

「っ、…お前…！」

豪炎寺は急に声をかけられ、そちらへ向くと黒いカーディガンを袖に通したAがヒラヒラと手を振っており、意外な人物に驚く。

「…神童か。…部活は？」

「今日はちょっと用事があってねぇ、それを終わらせてから来たんだあ。」

「そんなことより、ココキミの通学路じゃないよね。」と核心を突かれた豪炎寺はその赤い目から逃れるように目を逸らす。

その事を特に気にせず、Aは橋の柵に両腕をかけて練習しているメンバーを見る。
そして、徐に口を開いた。

「私さぁ、この前病院で豪炎寺くんの話聞いた時、ずーっと言いいたかったことあるんだよねぇ。それが今、なんか明確にハッキリしたよ。」

「……、？」

「キミさぁ…

妹ちゃんの事、見えてるようでなーんにも見えてないよねぇ。」

「 ――― 何？」

片手で柵に寄りかかり、豪炎寺の方へ体を向けて。
まるで嘲る様に、ニヤリと片方の口角を上げながら放たれた言葉に豪炎寺は厳しい顔つきで睨み、低い声が出る。

その様子に、態とらしく「こわいこわぁい」と肩を竦めたAは、相も変わらず言葉を続けた。

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