音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ28)

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◇ 帝国戦 11 ページ28

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「アイツら……俺を信じて走ってるんだ……、俺が止めるって…！

これを止めた俺から、必ずパスが来ると信じて！！！」

円堂の右手が、先程よりも濃い黄金の光を帯びる。
そしてその時には朧だった形がより鮮明になり、それはやがて黄金の手になった。

「はぁっ！！！」

「「「！！！！」」」

(まさか…幻の、〝ゴットハンド〟…！？)

その光が収まる頃には、手にはボールが収まっていた。
円堂はやっと出来たというように、にかりと笑った。
そしてその右手で前線へとパスを出す。

「行けぇーーー！！！豪炎寺！！！A！！！」

そのパスをAは先程の様に胸でトラップした。
徐に右手を振り上げ、光の線を。

「今回は引き立て役になってやりますかね……だからこれくらいの指示には従ってよね、豪炎寺修也(ストライカー)。」

豪炎寺の前に光の線が現れる。
それは口では言わずとも、ここにパスが来るぞと言われている様だった。

その事に目を見開いた豪炎寺だが、ふと笑った。
そして迷わず、光の線に従いパスを受け取る。

瞬間、シュートモーションに入り彼の周りに炎が宿る。

「 ──────── 〝ファイアトルネード〟！！」

炎の勢いに任せて放たれたシュートが、源田の手をすり抜け帝国のゴールへ突き刺さった。

ピピ＿＿＿＿＿＿ッ！！！！

〈ゴーーーーーール！！！遂に、ついに！！雷門イレブン、帝国学園から二点目をもぎ取りましたーーー！！！〉

「これで終わりだ。データ収集は完了した……スーパーストライカー、豪炎寺修也のシュート…少しも錆び付いていない…。

そして、神の指揮者、神童Aも……」

帝国は棄権し、試合は終了した。
バスに向かう中、鬼道はニヤリと笑っていた。

「円堂守か…、思わぬ収穫があったな。」

そしてバスの中に入る。
…Aを、ちらりとその目に入れながら。

「よく来てくれたな！これで新生雷門サッカー部の誕生だ！豪炎寺……」

手を差し出す円堂だが、豪炎寺はユニフォームを脱いで円堂に差し出した。

「今回限りだ。」

そして背を向け去っていく。
だけど円堂は笑顔で礼を言う。壁山が止めないのか、問うが。

「良いんだよ。さぁみんな！見ろよ！！この二点！この二点が、雷門の始まりさ！

この二点が、俺達の始まりだ！！！」

◆◇◆