音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ22)

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◇ 帝国戦 05 ページ22

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──────── パンッ！

Aの手が、乾いた音を響かせる。

「さぁ〜て、皆…いつも通りに行こうよ。私が皆を導いて(･･･)あげるからさ！」

「「「「おうっ！！！」」」」

「って、そんな軽く言うなよ；」

「俺達こんなにボロボロなんだぞ？」

「えぇ〜？なんの事やら」

「こりゃ見えてないね」

和気あいあいとした笑い声がグラウンドに響く。
これには鬼道も、豪炎寺も、鬼瓦も…全員が驚愕した。

────────空気が、変わったのだ。

特別強くなった訳でもない。なにかした訳でもない。それなのに、空気が切り替わった。

そう、神童Aの強さはそこでもあるのだ。

人を導くというのは、沢山の種類がある。

先頭を走る者がいる様に、円堂のように隣を走って導く様に。
だけどAは、円堂の様な性格ではなく、どこか飄々とした人物。

確かにAには天性のカリスマ性がある。だけれど、その内にある人の気持ちに寄り添える力があるのだ。

隣を走り、時に手を引っ張り、時に背中を押してくれる。

「着いていかなきゃ」では無く、
「着いていきたい」と自然と思ってしまう。

それがAのカリスマ性であり、同時に人徳なのである。

「さて、行くよ皆！！！」

「「「おうっ！！！」」」

◆◇◇◆

〈さて、雷門中が選手交代し、風丸一郎太と交代したのは2年の神ど…〉

「あー！名前まだ言わないで下さーい！！あとで！」

〈ええっ、？！〉

「ごめんなさい！事情があるのー！！」

〈わ、分かりました…交代したのは雷門イレブン唯一の女子選手！この交代がなにか奇跡を起こすのでしょうか！〉

「なんで名前言わないんだ？」

「私の名前って結構知られてるの。あんまり知られたくないんだよねぇ…それより、円堂。」

Aが真剣な顔になり、それに気付いた円堂も真剣な表情でAの言葉を聞き入れる。

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