音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ17)

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◇ 家族ページ17

◇◇◆◇◆

試合後半が始まる前、風丸が円堂に声を掛ける。

「なあ、円堂。Aのやつ、来る様子が無いな。」

「ああ、絶対に来るって言ってたけど…でも、信じて待ってようぜ！」

「ああ、そうだな。」

そして、後半が始まる。

◆◇◇◆

一方Aは、家で両親の仕事の手伝いをしていた。

普段のらりくらりとしていても神童財閥の令嬢だ。このような事も少なくはない。

いつもなら集中しながら淡々と仕事を進めていくが、今日のAは時計をチラチラ時にしながら進めていた。

(間に合うか…、後半終わりでも、せめて…)

「今日は確か、試合があるんですってね。」

まさに今気にしていたことを母に言い当てられてドキリとする。その様子にクスリと笑った母が、言葉を続けた。

「気になるんでしょう？最近いつも、楽しそうにサッカーの事を話しているしね。」

「う、…；」

やはり母には敵わない。
会話を見守っていた父親が、ふと微笑みながらAの手にあった資料を取った。

「チームメイトが待ってるんだろう？Aが手伝ってくれたおかげでだいぶ進んだから、あとは父さん達で進めるさ。」

「…！でも、」

「母さん達はね、嬉しいのよ。いつも周りのプレッシャーに耐えて、笑顔が少なくなった貴方が楽しそうにサッカーしているの。

さぁ、行きなさい。」

「…うん、」

Aは、鞄を持ちながら扉を開ける。
そして玄関で靴を履き替えて立ち上がった時、足に小さな衝撃が来た。

後ろを振り向くと、下の方にAと同じ髪色が覗いていた。

◇◇◆◆