音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ16)

今日:276 hit、昨日:573 hit、合計:32,536 hit

◇ 帝国戦 01 ページ16

◆◇◆◇◆

雷門の誰もが決まると確信した。が、現実は甘くない。

源田は一度ボールに触れて威力を落とし、確実にボールを受け止めた。
その流れが手馴れていた様に思えるのは、彼が帝国学園のGKだからだろう。

マネージャーや角馬が惜しかった、と落胆している中、源田はニヤリと笑い帝国のキャプテン、鬼道へとパスを出す。

「鬼道、俺の仕事はここまでだ！」

「嗚呼、始めようか…帝国のサッカーを。」

「始める…？」

その言葉が耳に届いた円堂は疑問符を飛ばす。鬼道は「行け！」と合図し、寺門へとパスを出した。

パスされた寺門は、脅威の威力で円堂の守るゴールへとシュートを放つ。

突然のことに驚いた円堂だが、反射的に受け止めようとする。だが、パワーを抑えきれず弾き飛ばされてしまった。

「円堂くん…」

「雷門イレブン打つ手なし！！為す術なし…！！」

実況が、無情にもグラウンドへ鳴り響いた。

◆◇◆◇◆

弱気になる部員たちに、円堂は諦めず声を掛けるがその実力差は圧倒的だ。

宍戸は顔面にボールをぶつけられ、
円堂はゴールを決められ、
松野もそのまま顔面にボールが直撃。

反撃もままならないまま、雷門イレブンは体力だけを削がれ前半が終えた。

「皆…」

「喋る元気すら無いみたい…」

風丸が息を乱しながら、帝国学園へと目を向ける。

「どうなってんだアイツら…誰一人息が乱れてないぜ…！」

「そりゃそうさ、奴ら走ってないからね。」

根本的な経験差による体力差もあるだろうが、松野の言う通り帝国学園は雷門イレブンにボールをぶつける事が多く、ほぼ走っていないのだ。

「僕ら、ずっと遊ばれてるって感じですよ…」

「くそ！このまま終わってたまるか…後半は奴らを走らせて体力を消耗させるんだ！」

「消耗って…無理でヤンスよ！もうヘロヘロでヤンスから…」

「ああ、俺ももう走れない…」

「なんだなんだどうした！まだ前半が終わったばかりじゃないか！」

「後半もやるんすか…？やるまでもないっすよ…」

「やっぱりこの試合、無茶にも程があったんですよ…」

弱気を零す1年生達に、円堂は激励するように声を掛ける。

「何言ってる！まだやるぞ！勝利の女神がどっちに微笑むかなんて、最後までやってみなくちゃわからないじゃないか！

そうだろ！なあ！皆！」

◆◇◆◇◆