音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ13)

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◇ 帝国が来るページ13

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雷門中に、暗雲と共に轟音が広がる。
豪華な車からカーペットを踏みしめ、歩いてきたのは帝国学園サッカー部。

その先頭は、赤いマントを羽織ったドレッドヘアーの男が陣取っていた。

「鬼道さん、なんでこんなチームと試合を？帝国(ウチ)のスキルが上がるとは思えませんけど…」

帝国学園サッカー部MF、辺見渡が先頭を歩くキャプテン鬼道有人へ問う。
確かに、40年間無敗の帝国学園にとっては弱小と呼ばれている雷門中サッカー部には眼中にも無いだろう。

「面白いモノが見られるからな…」

鬼道の口から意味ありげに呟かれた言葉に、辺見は「面白いもの…？」と疑問符を飛ばす。

鬼道は、ある人物を視界に入れているのか否や口角を持ち上げて笑っていた。

「まあ、楽しみにしている事だ。」

帝国の旗が風に揺られえはためくその下に、椅子に足を組みながら男＿影山零治が姿を現す。

「よりにもよってこの学校とはな…フッ、これも因縁か。」

円堂は練習試合が出来ることに喜びを感じているのか、はたまた別の意味でか、笑みを浮かべながら帝国学園サッカー部の方へ走り寄る。

そして、同じくキャプテンである鬼道へ。

「雷門中サッカー部のキャプテン、円堂守です！練習試合の申し込みありがとうございます！」

円堂が挨拶として手を差し出すと、鬼道はそれを気にもせず顔を別の方向へ向けた。

「初めてのグラウンドなんでね、ウォーミングアップしてもいいかい？」

「え…どうぞ」

そして、雷門中は実力差を見せつけられる。

帝国学園にとっては''普通の''ウォーミングアップだ。だけどそれは、円堂達にとってはハイレベルだろう。
…もしかしたら、帝国の皆が実力差を見せつけているのかもしれないが。

「おいおい、なんだよあの動き…」
「あんなのと試合すんのかよ…」

ふと、鬼道の目が円堂の左腕に付けられているキャプテンマークを捉える。
鬼道は嘲る様に笑いながら、指を鳴らした。

それを合図に、FWの寺門大貴がボールを蹴り、それを辺見がオーバーヘッドで鬼道の元へ蹴った。

そのパスを受け取った鬼道は、右足を振り上げシュートを放つ。
その先は _ 円堂。

「っ！！！？」

円堂は反射的に受け止めるが、受け止めた後のグローブは焼け焦げたように真っ黒になっていた。
ノーマルシュートで、この威力なのだ。

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