音の波紋を、雷へ【イナズマイレブン】 (ページ11)

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◇ 無茶苦茶な特訓ページ11

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「いや…まだまだ！！」

何言っても聞かなそうな円堂にため息を着く。シュートを繰り返していたため、Aもだいぶ疲弊していた。

「じゃあ、いくよ…！！」

そしてもう一度、タイヤを振り上げそれをシュートした。

「だあぁああ！！」

「…！」

それを円堂が受け止めた時、Aは確かに見た。受け止めた手が、黄金のオーラを纏った所を。
結局、パワーに押され弾き飛ばされてしまったが。

「無茶苦茶だな、その特訓。」

降り掛かってきた声に円堂が顔を向けると、風丸一郎太がいた。
風丸は円堂を起こしながら声を掛ける。

「変な特訓、してるんだな」

「あぁ、あれだよ」

円堂が指し示したのは1つのノート。風丸はそれを手に取り読むが…

「よ、読めねぇ…お前、これ読めるのか？」

「そこに関しては私も同意」

「うん、わかるよ。シュートの止め方が書いてあるんだ。

それ書いたのじいちゃんなんだよね〜」

円堂守が産まれる前に亡くなったらしい。
その祖父は雷門中サッカー部の監督を務めていて、このノートはその時に作った「特訓ノート」なんだとか。

「帝国学園は、スピードもパワーも想像以上さ。そいつらのシュートを止めるには、じいちゃんの技をマスターするしかないって思ってさ…」

「ま、あんな無茶な特訓してたらそりゃ何かしら成長するよ」

Aが呆れたように肩を竦めると、円堂はいたずらっ子のようににししと笑っていた。
風丸がその二人へ声を掛ける。

「お前ら、本気で帝国に勝つつもりなんだな」

「ああ！」

「当たり前」

二人の返事を聞いた風丸が、手を差し出す。円堂はそれに目を丸くする。
対してAは、察した様に笑っていた。

「お前らのその気合い、乗った！」

「…！ありがとう！風丸！」

「頼もしい仲間が増えたねぇ」

ふと風丸は後ろを振り向き、草木に向かって声を投げかける。

「俺はやるぜ！お前らはどうするんだ？」

「んぁ？」

「キャプテン…神童さん…」

円堂達もそちらを向くと、草木に潜んでいたのは特訓にやる気がなかった雷門サッカー部だった。
円堂は感極まって走り寄るが、タイヤの重さでコケてしまう。

「キャプテン…！」

「大丈夫でやんスか！？」

「帝国と試合する前に、お前がばてるぞ。」

染岡がどこか呆れたように言うが、円堂は「大丈夫だって」と、笑い飛ばしていた。

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