気象系の女王系紅一点お嬢様 (ページ18)

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あの光景を見てから、サキは御村に挨拶もしなくなった。
今は花壇で山田とご飯を食べている途中だ。

山「ねぇ、サキちゃん。」

「なあに？」

山「気の所為なら、良いんだ…サキちゃん、御村くんの事避けてない？」

「、なんの事？」

山「サキちゃん、いつも御村くんにおはようって挨拶してたのに…最近はパッタリ会話も…」

「ごめん、その話やめて」

そう言いながら、サキは走って去っていった。

当てもなく走る先は、立ち止まって下を向く。
鼻がツンとする感覚を、自覚したくなかった。

その時、後ろから腕を掴まれる。

御「おい。」

「…っなんですか。」

御「…最近、よそよそすぎねぇ？挨拶もしてこねぇし」

「…それは、御村くんの気の所為では？」

御「っ、なんで俺とは距離置いて！！！山田と仲良くしてんだよ！！！」

「関係ないわ！！！御村くんには、！！」

御「関係あるだろッ！！婚約者だろうが…！」

その言葉に、目を見開いたサキは俯いた。

「だったら、わたしはいつまで下を向かなければならないの…？」

御「…？」

「貴方には、！簡単に笑いかける女の子がいて！！！私はそれを見るだけで！！」

パシッと、御村の手を払う。目を見開いた御村がサキの顔を見ると、その頬には大粒の涙が伝っていた。

「見目も、言葉も、知識も、貴方の為に頑張って、頑張って…でも、貴方は…、っ」

「私はこんなにも…あなたの事が…、っ」

くしゃりと、悲痛に顔を歪めながらサキは去っていった。

山「御村くん。」

御「山田…」

山「彼女ね、会話の中に御村くんのことが出ると、とっても優しい目で話すんだよ。御村くんが、御村くんが、ってさ。…これでも、追いかける理由にはならない？」

そう言った時には、御村は既に走り出していた。

山「…、敵に塩を送っちゃったかなぁ。でも、あの子が笑ってくれるなら、それでいいや。」

山田は、片目がぼやけていることを気にしないようにした。

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