気象系の女王系紅一点お嬢様 (ページ15)

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■ 山田太郎ものがたりページ15

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「…御村くん、おはよう。」

御「…ああ、はよ。」

「(目くらい、合わせたっていいじゃない。…そこまで嫌いなのかしら。)」

山「おはよ！！サキちゃん！！」

「あら、山田くん…おはよう。今日も元気ね…見てるこっちが元気出ちゃいそう笑」

彼は山田太郎くん…私が花壇の水やりをしている所に偶然遭遇した。彼の家は俗に言う貧乏らしい。別にそこに偏見は無い。だって彼が単純にいい人だからね。

山「うん…それはいいんだけどさ…サキちゃんって、御村くんと友達なの？」

「え？」

山「いや…、か、会話してたからさ！！」

「いえ…そうね。ふふ、山田くんだから特別に教えてあげる。」

山「？」

「私と彼ね…婚約者ってやつなの。両親達が決めたね。」

山「えええ！？こここ、こ、それってつまり…恋人ってこと！？」

「…それは、違うわ。」

「私と彼の間に、愛なんかちっとも無いわ。」

山「…」
「(そんなに苦しい顔をしないで。)」
「(サキちゃんがそんな表情をしていると、とっても胸が苦しくなるんだ。)」

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池「えっ、八神サキ…さん？」

「知らないの！？大企業の社長令嬢の八神サキ様！そのルックスや性格の良さは留まることを知らない…」

「噂じゃ、御村くんか山田くんの婚約者って聞いたけど…」

池「ええ！？」

そんな会話が飛び交う教室に、透き通った声が響く。

「山田くん」

山「あっ！！サキちゃん！！」

「ふふ、山田くんの分もお弁当持ってきちゃった。一緒に食べましょ？」

山「えっいいの！？行く行く！！」

山田に声を掛けたのは、濃いブラウンの髪の美少女。
その姿を目視した池上隆子は、あんぐりと口を開けた。

「あ〜、山田くんいっちゃった…」

「でも、八神さんならお似合いだし、目の保養よね〜！！！」

池「(か、勝てない…勝てるわけが無い…玉の輿、無理かも…)」

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