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大野は、…さとは、呆然としたように目を見開いて此方を見つめている。
私は警察の方へ顔を向けた。
「…すみません、メンバーだけにしてくれませんか。事情聴取は後で…お願いします。」
軽く頭を下げると、警察も頭を下げ2人を部屋から連れ退出した。
さて、とさとの方へ顔を向ける。
本人は、なんでという顔をしている。
大「なんで、止めたの…、あいつは────」
「さと。」
大「……」
「…ちゃんと、いるよ。」
大「…、！」
さとは私が刺された時、その場所にいた。
あまつさえ、私が崩れ落ちる瞬間…冷たくなる瞬間に立ち合ったんだ。
「大丈夫。」
そう言葉をかけると、さとは普段崩さない表情をくしゃりと歪めながら、此方へ覚束無い足取りで近付く。
静かに、私の肩へと頭を乗せた。弱々しく、だけど少し力強く私の服を握り締めた。
震える声で、話し出す。肩がじんわりと温かくなる気がした。
大「いなくなると、思った…」
「うん、」
大「血、抑えてても、止まんなくて…冷たくなっていって…、」
「…うん、」
大「死ぬ、って…」
「うん、けど、大丈夫…ちゃんといる。お前の目の前にね。」
大「…、うん。」
さとが落ち着いたのを確認し、後ろのメンバーにも目を向ける。
「皆もありがとう。もう大丈夫だからさ。」
相「〜〜〜ッううう〜！！Aさん、ホントに良かったよぉ〜！！！」
「ふは、マサ泣くなよ…男でしょ」
櫻「本当に、…よかった。」
「うん、翔ちゃんもありがとうね。」
二「心配、しましたよ…」
「ふふ、心配性だね笑」
松「無事でよかったぁ〜……っ！！」
「うん、大丈夫。」
大「A、」
「…ちゃんと、いるよ。」
──────────────6人で、嵐。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年9月23日 4時
