◇ ページ23
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「何で、こんな事を？」
「ずっと、君だけを見ていたんだ……でも、段々君が遠くなっていって…、抑えられなかった。…だけど、血を垂れ流す君を見て、…怖くなった。ごめん、なさい…ごめんなさぃぃッ…」
アイドルという職業についたからには、覚悟していた。だけれど、こんな形で自分に悪意が向いてくるなんて予想出来るはずがない。
「其方の貴方は？」
私の問いを受けた女は、恨めしげに私を睨めつけながら低く怒鳴り出した。
「ムカつくのよ…！！貴方なんかがなんで人気者になって！！！！皆に愛される存在になるのよッ！！！
男にチヤホヤされて調子に乗って！！！気持ち悪いったら
ありゃしないッ！私の方がよっぽど務まるわ！どうせカラダでも売って─────────────」
───────────────ガシャンッッ…！！！
女が、宙に浮いた。
女の胸倉を掴んだその手の持ち主は、大野だった。
睨みつけるその目には、底知れない憎悪が宿っていた。
大「そんな、事で…Aを、？」
「ひ、ぃ…、！」
大「巫山戯るな…、！！！Aが気持ち悪い…？調子に乗ってる…？Aがファンや皆に愛されるのは本人の努力！！！お前みたいな人を決めつける奴に、代わりが努まる訳が無い！！！
事務所に勤めてたのに、Aの努力も見えなかったわけ？
分かってんの…？お前、Aを殺しかけたんだよ…？」
「だ、だっ、て…！ッ」
首元を掴む手を益々強める大野。
不味い。このままでは死んでしまう。
「大野。」
大「Aは黙ってて。」
「大野。」
大「黙ってろよ！！！こんな奴ッ……！！！」
「───────────
大「ッ！？」
パタリと、手が離された。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年9月23日 4時
