◇ ページ22
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病院特有のツンとした匂いを感じ目を開ける。そして起き上がると腰辺りに鈍い痛みが走った。
呻きながらも、何とかナースコールを押した。
「幸い、ナイフは奥深くは刺さっておらず血は沢山出てしまいましたが死には至りませんでした。あの時、大野さんがあなたの腹部を咄嗟に抑えた事が幸いしたのでしょう。
傷も残りませんよ。」
「犯人は捕まった様なので後で警察も来ます」と言い残し医者は去っていった。
医者が出ていってすぐ、豪快な音を立ててドアが開かれた。そのうるさい音に眉を顰めながら其方を見ると、見慣れた顔が病室に入って来ていた。
松「Aちゃん…！！」
櫻「もう怪我は大丈夫なんですか…？」
ニ「心配した…」
相「Aちゃんが眠ってる間も、ずっと通ってたんだよ？」
心底心配そうな顔をしているメンバーに、苦笑する。
…だいぶ迷惑かけたな、これは。
そんな事を考えていれば、メンバーの後ろから人影。それは警察だった。
「月乃さん、起きたばかりの所申し上げにくいのですが…」
警察が話す事情を聞いていれば、
曰く、犯人はすぐ捕まったとの事。男女二人組による犯行だった、と。
そして、一番驚いたのはその犯人に一度顔見合せしてみないか、との事。
ニ「ッ巫山戯んな！なんで自分殺しかけた奴と対面しなきゃいけないんだよ！！！」
櫻「そんなの…、納得出来ません！！」
口には出さずとも、松潤もマサも同じ気持ちのようだ。険しい顔で佇んでいる。
「警察は、なんでその事を提案してきたんですか？」
私のその問いに目を伏せた警察は、ポツリと話し出した。
私を刺したのは、私をJr時代から知っていたストーカー
そして、その犯行を促したのは……
「貴方だったんだね…」
Jr時代もよく見かけていた、ジャニーズ事務所に勤めている関係者の女だった。
その事を聞いては、思わず対面する事を承諾していた。
警戒の為警察もいる。私を心配してくれたメンバーも。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年9月23日 4時
