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1991年から入ってから約2年がたった。
事務所に入ったはいいものの、まあ当たり前のように受け入れられるわけが無い。
周りのJr達には異質なものを見るような、見下されるような目で見られる。
最初は無視していた。くだらない事だし。けれど最近、振付師の人によく褒められることが多くなった。
その人達も最初は、私という女が入ってきたことに気を使っているように感じたが努力を認められたのかたまに賞賛を送られた。
そして、先輩のバックに立たせてもらうことも。
努力を認められることは素直に嬉しい。男と女というアドバンテージを埋めるために血反吐が出るほど努力したし。
…けど、周りはそうはいかない。
三「…なに、また隠されたの？」
「…、うん。」
私の答えに呆れたように、けれど少し怒ったように眉を寄せるのは、年上だけど、私より2年後に入所した三宅健くん。
彼は私のことを知った時、やはり驚いたようだが異質なものを見るような目で見るのではなく、蹴落とし合うライバルとして見てくれた。私にとっても良い友人。
そして…先程の隠された、というのは私の持ち物。
薄々、違和感は感じていた。
練習に使うシューズ、タオル、携帯。そしてカバン…挙句の果てには、それがゴミ箱に入れられていたり。
きっと、嫉妬が嫉妬を呼んだんだろう。
事務所で肩をぶつけられ「女の癖に」「尻軽」「男好き」と何度囁かれた事か。
でもそんな奴らだけじゃない。SMAPの先輩たちや、松岡さん等には沢山心配や労いの声を掛けられた。
色んな嫌がらせをされても、泣きたくはなかった。あんな低能な奴らに、負けたくないから。
…この道を選んだのは、私だから。
でも、やっぱり悔しいな。
「っクソ…」
三「…」
レッスン室に戻ると、くすくすと嘲笑う声が聞こえる。
下らない、な。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2023年9月23日 4時
