気象系の女王系紅一点お嬢様《過去編》 (ページ12)

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─────1996年4月1日。…月乃Aが、16歳になった年。
東京の歌舞伎座にて、月乃A主演の舞台が開演される。

タイトルは「音想(おと)」

ある裕福な家庭に生まれた見目の良い少女が周りの環境に苦しみながらも、「音」そのものと恋に落ちる物語。

客席は満員。
その理由は、ジャニーズ事務所唯一の女子が主演を務めると話題になったからである。
客の中には興味本位で見に来た者、冷やかしの様な目的で来た者もいる。

そしてジャニーズグループ、所謂月乃の先輩に当たる人達も来ていた。
その後ろには、ジャニーズJrも見に来ている。
…その中には、大野もいた。

森「…A、大丈夫かな。」

デビューした後でもAを妹の様に可愛がっていた森田は心配した様に呟く。別にAの事を見誤っている訳では無い。ただ、心配なだけなのだ。

三「大丈夫に決まってんだろ。アイツなんだから」

そう言いながら森田の背中をバシッと叩く三宅。「いてっ」と声を漏らしながら森田が顔を見ると、その顔は何も心配していないような顔でいて思わず顔を綻ばせた。

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