その烏、女騎士。 (ページ10)

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第008話【王様】ページ10

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夷守A side

澤村「月島…いい性格の悪さしてるねぇ」

そこは同意だ。影山、日向の二人もだいぶ問題児だが、他の一年も難アリなのは予想してなかった。
月島は態とらしく笑いながらまたも煽る。

月島「特に、家来達に見放されて…『独りぼっち』になっちゃった王様が見物ですよね」

王様、とは影山の事を指しているのだろう。でも何故月島はそこまで王様を強調するのかわからない。

すると田中がくねくねと気持ちの悪い動きをしながら日向達の方へ寄る。

田中「ねぇねぇ、今の聞いた？…あーんな事言っちゃって、月島君ってばもうほーんと…すり潰す。」

額に血管を浮かばせながら言った田中は完全悪役だ。田中は煽られたらそれこそ力を発揮するタイプだろう、はっきりいって面倒臭い。

そして主将に声を掛けられ、両チームとも整列する様に言われる。
月島は飄々としていたが、山口は何処か緊張気味だった為手を振りながら声を掛けた。

ぶっちゃけ後輩とかに声を掛けるのは苦手だ。
そういう激励…？とかは私に向いてないと思われる…

「…今日は一年の実力を見るだけだし、私もウィングスパイカーとして後ろに入ってるから。気張らずにやりなよ。」

山口「は、ハイっ」
月島「ハーイ」

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ピィ────────！！

試合開始

早速どの様に試合が動くかと思えば影山が田中にトスを上げ強烈なスパイクが決まる。
田中は馬鹿だけどパワーは強い…煽ったのは失敗だったな。

その本人は雄叫びを上げながら服を脱いでぶん回しているが。

田中「うっしゃあぁああ！！！！」

菅原「田中うるさい！」
縁下「喜びすぎ！」
木下「いちいち脱ぐなー」
「うっせぇぞハゲー」

田中「A聞こえてんぞコラｵ"ｧ"ｧ"ーｯ！！」

コートの外にいた主将が困った様に笑いながら月島に声を掛けていた。

澤村「田中煽ったのは失敗だったかもね」

月島「チッ…」

やだ最近の若者怖い。胃が痛くなりそうになるのを堪え主将に目を向けると、何を勘違いしたのかグッと親指を立てられた。見捨てられた。