その烏、女騎士。 (ページ7)

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第005話【勝負】ページ7

「「「「お疲れっしたーーー！！」」」」

練習も終わり暗くなり始めた頃、部員達はジャージを羽織り帰る準備をしている。

田中「勝負したら勝ったら入れて下さい…とか言ってきそうじゃないですかあいつら！」

「…無きにしも非ず」

菅原「頭冷やして、ちょこっと反省の色でも見せれば良いだけなんだけどな」

その会話を遮るように「「キャプテン！」」と呼ぶ声が外から響いた。
そしてドアを開くと予想通りの2人が口を揃えて声を放つ。

影日「「勝負させて下さい！！」」

田中「ウッハッハッハハ…！！！ゴッフゴホッ…」

「汚い。」

田中「あ''ぁん！？」

聞けば、自分達と先輩達とで試合して勝ったら入れて欲しい、と。

影日「「せーの…ちゃんと協力して戦えるって証明します！！」」

まあそれが一番手っ取り早い方法ではあるだろう。
Aは目を細めながら頭の隅で考える。

菅原「〝せーの〟って聞こえたんだけど…」

「馬鹿だろ…」

田中「でも俺、こういうやつら嫌いじゃないっすよ！」

澤村「…負けたら？」

その言葉にどんなペナルティでも受ける、と答える影山。澤村は、日向たちの他に入る予定の1年二人と3対3で試合をやってもらおうと言う。

日向「でも3対3ですか？俺たち側のもう1人は…？」

澤村「田中、お前当日日向達のほうに入ってくれ」

その提案に渋っていた田中だが、澤村の口車に乗せられ承諾した。コイツちょろい。

澤村「─────で、お前らが負けた時だけど…少なくとも、俺達3年がいる間…影山にセッターはやらせない。」

個人技で勝負挑んで負ける自己中なやつがセッターじゃ、チームが勝てない。
それを面と向かって言われた影山は、顔を顰め吠えるように叫ぶ。

影山「…ッ俺は！セッターです！！！」

澤村「勝てばいいだろ？自分独りの力で勝てると思ったから来たんだろ？…ゲームは土曜の午前、いいな！」

そして閉められた扉、その扉をちらりと見たAは腰に手を当てながら澤村へと言葉を投げ掛ける。

「なんか、いつにも増してあの新入生二人に厳しいですね…」

田中「確かに、いつもより厳しいっすね大地さん」

菅原「なんか特別な理由でもあんの？」

澤村「─────…」