その烏、女騎士。 (ページ14)

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第012話【いる】ページ14

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ＮＯ side

月島のサーブを田中がレシーブして影山の元へ行く。

日向と田中は2人に同時に俺に上げろと言うが、影山は少し迷っている様だ。
日向は真っ向勝負では月島に勝てない、そう考えた影山は、田中に上げようとする。

影山「田中さ───「影山！！」」

呼びかけられて振り向いた先には、スイングする為に飛んでいる日向。その光景が、あの時と重なる。

影山「(そこに…誰も─────)」

その恐怖(鎖)を断ち切るかのように、日向の声が響く。

「いるぞ!!!」

キュッと足を踏み鳴らした影山は、日向に向かって素早いトスを送った。
結果的に手に軽く当たってアウトになってしまったが。

これには田中達や影山自身も困惑する。

影山「お前何をイキナリ─────「でもちゃんとボール来た！！」」

日向「中学のことなんか知らねえ。俺にとっては、どんなトスだってありがたーいトスなんだ！

俺はどこにだって飛ぶ！どんなボールだって打つ！だから…

俺にトス、もってこい！！！」

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夷守A side

今のトス、影山は田中に上げようとしてたのに日向の声に反応して咄嗟に切り替えた。そんな一瞬であそこまで正確なトスあげんのか…

田中「おいお前ら！！速攻(クイック)使えんのか！？」

田中が興奮した様に聞くが、日向は山なりに上がるトスしか打ったこと無いという。

本人はそう言うが、中学の時日向は素人セッターのミストスにずば抜けた反射神経で追いついて打っていた。
それを田中も言っているが、本人はけろりと言い放つ。

日向「えっ、でも…どうやったかは覚えてないです。…でも俺、どんなトスでも打ちますよ！」

影山を指さして「打つからな！」と宣言する日向。
それに対して影山は合わせたこともないのに無理だと返す。

日向「何だお前変！そんな弱気なの気持ち悪い！変！」

クッソ失礼だな。まあでも、私も天才的な技術を持つ影山はもっと自信に溢れてるかと思ってた。

月島「王様らしくないんじゃなァ〜い？」

日向「Σ今打ち抜いてやるから待ってろ！！」

月島「まーた…そんなムキになっちゃってさ。何でもがむしゃらにやれば良いってもんじゃないでしょ？人には向き不向きがあるんだからさ。

キミ、明らかにスパイカー向いてないよね？」

その発言にカチンときた田中が月島に向かっていこうとする為、慌てて止める。

身長はバレーにとって最も単純で生かせる武器…日向が試合に出れば、まず間違いなくリベロだと思われるだろうな。

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