その烏、女騎士。 (ページ13)

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第011話【関係ない】ページ13

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夷守Aside

田中「テメェ、さっきからうるせぇんだよ────」

「田中」

田中を止めるように呼び掛けると本人は納得しなさげにコチラを見ているが、首を横に振ることで答えた。それを横目に見ながら月島はまた口を開いた。

月島「せっかくトス上げても誰も跳んでないんじゃ─────「ああ、そうだ」」

影山「トスを上げた先に、誰もいないっつうのは…心底怖ぇよ。」

そう言いながら立っている姿が、何処か寂しげに苦しそうに見えたのは気の所為ではないだろう。
重苦しい雰囲気が流れる中、その一等小さい存在の奴の声が入る。

日向「─────でもそれ、中学のハナシでしょ？

俺にはちゃんとトス上がるから、別に関係ない。それより！どうやってお前をぶち抜くかだけが問題だ！！」

あれだけドシャットされて、影山の過去の事もあるのに勢い良く月島を指差してそう言い切った日向に前にいる田中と同様吹き出す。

田中「ブッ、フフ…だってよ。お前のチーム、やべぇんじゃねぇの？」

「アッハハ…何処までも生意気な一年坊主だな」

日向「月島に勝って、ちゃんと部活入って…オマエは正々堂々セッターやる！そんで俺にトス上げる！それ以外になんかあんのか？」

─────── 『俺が後ろで守って、お前が前で守る!どーだ!?最強だと思わねぇ!?』

前から思ってたが…つくづく似てるな。
そう、日向と同じような太陽のような笑顔を思い出す。

だがその時、月島が隣でポツリと呟いた声が耳に残った。

月島「そーいう…如何にも純粋で真っ直ぐって感じ…、イラッ来る。」

そう言い、サーブに向かう月島。
影山もそうだけど、此奴も何かしら抱えてんのかね。今年の一年は問題を抱えた奴等だらけだ。

月島「気合いで身長差は埋まらない。努力で全部何とかなると思ったら─────大間違いなんだよ。」