◇ 違和感 ページ8
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【 神童A side.】
少し休憩した後戻ると、同じように休憩していたのか練習を再会しようとする雷門イレブンが見える。
私が戻ってきたのに気付いたのか、半田や染岡が率先して声を掛けてきた。
「あっ、A！やっと帰ってきた…！」
「急に走ってくからビックリしたぜ。大丈夫なのか？」
皆を見渡すと、皆もこちらを見ていて心配しているというのがありありと伝わってくる。
そんな皆に、私は「いつも通り」笑みを浮かべた。
「大丈夫大丈夫！顔洗ったらなんかスッキリしてさぁ。今ならシュート決められそーっ！」
「おっ、楽しみにしてるぜ！！」
◆◆◆◆◆
そして、練習を再開する雷門イレブン。
チーム戦をしていて、今私はマックスを目の前に相手をしている。こちらからボールを奪わんとしていた一之瀬だが、目でのフェイントを掛け逆側に切り返して交わした。
抜かれた本人は悔しそうな顔をしていたものの、何処と無く楽しそうにしていた。
「ははっ、目線のフェイントか…！やっぱりAは凄いね！」
『そりゃ、それくらい出来るだろ。天才なんだから。』
(……知ってる。)
そして、ボールを奪わんとしてくる敵チーム。
それを1人ワンツーで交し自陣の味方にパスしながらパスを返してもらいぐんぐん抜いていく。
「A、調子上がってんじゃねぇか！行け行けーー！」
『お前は独りだけで走るのがお似合いだ』
「そのままシュートだっ！！」
『さっすが天才。シュートもさぞかし凄いんだろう』
「さすがA先輩……！」
『やっぱ凡人とは違うね』
(だから、知ってるってば。うるさいなぁ……)
雷門イレブンの声に重ね聞こえてくる声。それが誰の声なのか、なんてよくわからない。気持ち悪くてきもちわるくて、それ振り払うように走りゴール前に立った。
胸に突っかえる気持ちの悪いモノを振り切るように右足を振った。
「 ――― �爛侫�ルテシモ�瓠�
七色の光と音符を纏ったそのシュートは、円堂の手をカスってゴールに吸い込まれて行った。
はぁ、と息を吐き出すと同時に後ろから皆の声が投げかけられる。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年2月8日 3時
