◇ 様子 ページ6
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翌日。
次の準決勝に向け特訓に励む雷門。
だが今回は、皆の注目は一人の者に向いていた。
「 ――― �� フォルテシモ �瓮叩�！！ 」
Aが蹴ったシュートは七色の光を纏い円堂の守るゴールに向かっていく……が、そのまま失速し円堂はそのままキャッチした。
円堂はボールをキャッチした後、心配そうに声を掛ける。
「A、どうしたんだ？今日調子悪いぞ？」
そう、Aは練習を始めてから一度もシュートが決められていないのだ。
それどころかパスや連携などもどこか調子が悪い様に見える。
心配という表情をする円堂にAはいつものようにヘラりと笑った。
「うん…、やっぱり少し、緊張しちゃって……ごめん、顔洗ってくる。」
「あっ、A！？」
選手達もマネージャー達も去っていく後ろ姿を心配そうに見守っていると、春奈がポツリと呟く。
「何だか…、A先輩の、笑顔…」
「音無さん？どうしたの？」
「ああいえっ！…その、昨日もそうなんですけど、A先輩の表情っていうか、笑顔が気になって……」
「笑顔……？どういうことかしら。」
「…A先輩って、いつも笑ってるじゃないですか。皆を安心させるような、背中を押してくれるような……そんな笑顔で。
でも、今日の先輩は…、そんな笑顔じゃなくて、どっちかって言うと…無理してるような……偽物の笑顔っていうか…」
――― バシャバシャと水道から出た水で顔を洗うA。そして、台に手をかけ息をついた。
(はぁ、何やってるんだ私……)
フォルテシモも、他の技も決まらない。指揮もままならない。
そのせいで他のみんなに迷惑をかける始末。
Aは、パチンと頬を叩いた。
「(よし、みんなに謝らなきゃ。)それで、準決勝で勝つ。みんなと一緒なら大丈夫。―――」
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年2月8日 3時
