音の波紋を、雷へ第五章【イナズマイレブン】 (ページ34)

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◆ ページ34

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『あ、うん……神童A。よろしく』

『そっか、じゃあAって呼んでもいいか？俺のことはトワでいいからさ！』

握手した手をブンブンと振りながらニコニコと話すトワ。
Aが呆然としながら曖昧に頷きを返していると、ふとトワはチームメイトの方に振り向いた。

そして腰に手を当てながら声を上げた。

『お前ら…さっきからコソコソ、コソコソと女だからってAのこと油断すんなよ！？』

『トワ……？』

『急にどうしたんだよ？』

『だってお前らも、女子チームの試合見たことあるだろ？他にもサッカー上手いやついたけど此奴はずば抜けて上手かった！それでそこまで上手いってことは、それほど努力したってことだ！』

その言葉に目を見開くA。
今まで、何をしても『天才』と片付けられた彼女にとっては、その言葉は何よりも救われるものだった。

『そんでその努力が報われたから！こうやって男子チームに参加出来て！あの異名もついたんだろ〜…………』

『…トワ？』

『えと……』

『『『？？』』』

『…異名、なんて言うんだっけ。』

『『『『(ズコッ；』』』』

頬を引き攣らせ冷や汗を浮かべながらAの方へ顔を向けるトワに、チームメイトは一斉にズッコケる。
かく言うAも目を点にし、監督は目を閉じながらも汗を浮かべていた。

そして、チームメイトの一人がトワに怒りながら言った。

『神の指揮者だ！！お前神童の試合見てすげーすげー言ってた癖に覚えてないんだ！！』

『ええ、だってあの時Aのあの戦術にめっちゃ興奮してたからさー……』

『ったく、トワはすげえ良い事言うのに、途端にバカになるよな。』

『Σあ！？』

『なんだと！？』と憤慨するトワに、周りからは笑いが巻き起こる。先程と違い、和やかな空気が流れた事にAは驚く。

その時、チームメイトの一人が『でも、トワの言う通りだな』と言葉を放った。

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