音の波紋を、雷へ第五章【イナズマイレブン】 (ページ28)

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◆ その記憶を消せたならばページ28

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「…貴方達が聞くには、重すぎるかもしれないわよ。」

「それでも、一緒に背負います！」

言い切る円堂の傍で、真っ直ぐ一紗を見つめる5人。
それを見た一紗は、眉を下げながら困ったように笑った。

「…あの時(・・・)いたのが貴方達だったなら、あの子は…」

先程浮かべていた冷たい表情がガラリと弱々しくなったことに円堂達は困惑する。

けれど一紗は目を伏せながら語り出した。

「音楽とサッカーが大好きな秀才…、そして、天才。正に名の通り『神童』。

『天才』というのは、あの子に与えられた栄光でもあり …―――

それと同時に、鎖でもあったのよ。」

パンドラの箱が、開けられた。

◆◇◇◆◇

――― 同時刻。

ある少女は夕暮れに染まるとある場所に来ていた。

その手には右手には掃除道具と、左手にはチグリジアとカモミールの花束が持たれていた。
そしてその少女は、ある程度歩いた所にある墓石の前で止まる。

慣れた手つきで掃除をして、そして最後に墓石を綺麗に吹いた。その後、墓石に花を添える。

…そして、墓石の前の間に来て、しゃがみこんで手を合わせた。

「なかなか、来れなくてごめんね。

――――――おばあちゃん、おじいちゃん。

私さぁ、二人との約束破っちゃったんだ。」

その墓石には、

【神童織音】
【神童直幸】

と、並ぶ様に、寄り添うように啜られていた。

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