音の波紋を、雷へ第五章【イナズマイレブン】 (ページ24)

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◇ 話を聞くページ24

うん。私、音楽が好きでさ。ピアノとか…歌とか。大好きで大好きで…でも、それと同じくらいサッカーが好きだった。

「サッカーと同じくらい、か…」

円堂達も、Aが音楽が好きなのは知っていた。

何より彼女がしているサッカーはフォルテシモや神のタクト、音楽モチーフのものが多いからだ。

「昨日、Aちゃんが言ってたことは関係してるのか？」

「さぁ、一見すると関係のないように見えるけど……」

土門と一之瀬が顔を見合わせながら首を傾げる。

それに、鬼道が「その事も含めて、奴から話を聞こう」と声をかける。
鬼道の言う通り、何にせよ話さないと始まらない。

そう意見を纏めた円堂達がインターホンを押そうとする。が、その前に声が掛けられた。

「 ――― 貴方達は…」

「あ、Aの … 」

門を挟んで円堂達の前に現れたのは、Aの元へ案内してくれた執事の結城だ。

彼は著しく胸に手を当てながら礼をし、挨拶をする。
どうやら門の前に人影が見えこちらに来たらしい。自身と同じくらいの年齢の者にそういうことをされると此方が慣れなく、円堂達はドギマギとする。

「今日もA様の元へ？」

「はい…あの、Aは」

「……、A様は今日おいでになりません。」

「えっ、！？ど、何処にいるんだ！？」

「…、それは ―――」

「何をしているの、結城。」

固い表情の結城からAの居場所が語られようとした時、それを遮るように声が響き渡る。

…その声は、円堂達のよく知る、いや、聞き覚えのある凛とした声に酷使していて。

円堂達はそちら…結城の後ろへと目を向ける。
――― そして、目を見開いた。

髪色は真っ黒だけれど、深い赤い目。
正反対のおっとりしたような目付きだが、凛としたようなその雰囲気。

所々違うが、神童Aそっくりの女性がそこに立っていたからだ。
その姿を認識した結城は目を見開いて口を開く。

「ッ、奥方様…！」

「奥方様…？」

「って言うことは、…」

「Aの、お母さん…？」

風丸の言う通り、神童財閥当主・奥方、基神童Aの母――――― 【神童一紗(ｼﾝﾄﾞｳｶｽﾞｻ) 】が、そこへ立っていた。

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◇ 母親→←◇ 音が届かない