音の波紋を、雷へ。第五章【イナズマイレブン】 (ページ23)

今日:231 hit、昨日:506 hit、合計:16,213 hit

◇ 音が届かないページ23

.

【 No side. 】

後日、雷門イレブンは部活が終わり部室にて各々帰る準備をしていた。

円堂達は昨日と同じくAの家に行こう、と部室を出る時、後ろから響木に声を掛けられる。

「お前達、今日も神童の家に行くのか？」

「はい！」

「…そうか、」

「？どうかしたんですか？」

一之瀬から問い掛けられた響木は、少し迷った素振りを見せたあと口を開いた。

「…神童から退部するという話を聞いた時に、気になる言葉があってな。」

「気になる、言葉？」

『私、音楽もサッカーも辞めます。』

『私....、皆に音を届けられなくなっちゃったんです。』

「音を、届けられなくなった…？」

「ああ、あの後すぐに帰っちまったからその意味は聞けなかったんだがな…」

円堂達はAの言った事に疑問を感じながらも、神童邸へ向かうのであった。

◇◆◇◆◇

【神童邸・門の前】

「Aちゃん、出てくれるかな…」

「昨日、あんなに怒鳴られたしな……、」

土門と風丸が、相変わらずの豪邸を見上げなら呟く。

昨日のAの姿は円堂達の脳に強く残されていた。いつでも笑っていた彼女の顔は、涙に濡れていたから。

すると風丸は、何かを考えるように俯いている円堂に気付く。

「円堂？」

「……！っあ、ああ、なんだ？」

「なんだって…お前こそどうしたんだよ。考え事か？」

「…、響木監督の言ってたことが気になってさ。」

円堂の言葉に、他の四人は思い出す。

『私....、皆に音を届けられなくなっちゃったんです。』

この言葉だけ聞くと、何らサッカーとは関係のないように聞こえる。だけど、退部届を出した時に言ったということは関係無いはずがない。

「……思ったんだけど、この言葉ってAが響木監督に『音楽もサッカーも辞める』って言った事と関係あるんじゃないかな…」

「！そういえばA…」

一之瀬の言葉に、風丸は思い出すことがあった。それは、フットボールフロンティア開会式前、風丸が悩んでいた時に言われたこと。

.

◇ 話を聞く→←◇ 隣を走ってほしいから。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
 他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って！｜面白い！→ )