◇ 私の意思 ページ19
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【 神童Aside. 】
我が家ながら豪華な扉を開け、外に出る。そこから数歩先へ歩くと、円堂達が並んでこちらを見ていた。
.....正しくは、見上げていたという方が正しい。
円堂達は、階段の下でいたから。
「....何しに来たのかな。私の意思は昨日伝えたハズだけど。」
「オレ達はまだ納得してない！」
断固として譲らない態度を取る円堂達に、苛立ちがふつふつと沸き上がる。
そう考えながら、口を開く。...もう、その私の顔に笑顔は欠片程も浮かんでおらずただただ冷たい視線で円堂達を見ている自覚が、自分にある。
「言ったでしょ。私は、サッカーも…何もかも辞める。」
「…それは、本当にお前の意思なのか？誰かに決められたことではなく。」
鬼道が言うのは、神童財閥の一人娘としての、親との問題ではないだろうかという事だろう。
Aはその問いかけに返す。
「私の意思だよ。……たしかに、親にサッカーを辞めろと言われた。腐っても財閥の令嬢、それは分かってたこと。
……けど、サッカー部を退部したのも、サッカー辞めたのも、家の事は関係ない。ぜーんぶ私の意思。」
淡々と、機会のように無感情に言ってのける私に円堂達は悲痛そうな表情を隠さない。
それを無視し、円堂達を睨んだ。
「わかったらとっとと消えて。もうサッカーも、
そう言って、背を向けた。……さよなら、
「 ―――――― オレは認めないッ！！！」
……身体に、稲妻が走る様な衝撃だった。
衝動的に身体ごと後ろを振り向くと、目を見開く。円堂も、豪炎寺も鬼道も、風丸、一之瀬、土門も。
此方を…私を、強い光を持つ目で私を見ていた。
……なんで、そんな目で見るの。消えてって、いったのに。
なんで、そんなに真っ直ぐ見れるの。なんで、
なきたくなるから、やめてよ。
「オレは…、オレ達は…ッ！ぜっっったいにお前がサッカー辞めること認めない！」
「...ッ、アンタが認める認めない関係ないの。私が決めたこと。」
「でも、お前苦しそうな顔してるじゃないか！！」
「…、っ」
そう言われて、口篭る。
くるしい？そんな顔してない。だってこれは、私が決めたことなのだから。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年2月8日 3時
