◇ 陽 ページ17
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【 円堂守side. 】
「今日の特訓はこれで終わりだ。準決勝まで後数日後だ。体調を崩すなよ。」
「「「「はいっ！！！」」」」
皆は響木監督の声掛けに元気よく返事するけど、その表情は何処か暗くて、
.....準決勝に集中しなければならないのに、やっぱり何処かで思うのはAの事なんだろうな。
でもそれは、オレも同じだ。
着替えが終わったと同時に、荷物を手に取り部室を出た。
「わりっ、オレ用事あるからまたなーーー！！」
「あっ、円堂くん！？」
後ろから秋の戸惑った声が聞こえてくる。
だが、オレの足は止まらなくて、そのまま校門を潜ろうとした時後ろから聞き馴染みのある声が聞こえた。
「円堂ーーーー！！」
「風丸.....？それに、お前らも！」
此方に駆け寄ってくる風丸の後ろには、昨日Aん家に行った時のメンバーがいて。
首を傾げると、風丸がため息をついた。
「行くんだろ？Aのとこ」
「.....！」
「オレ達も行くぜ！」
「このまま彼女がサッカーを辞めてしまうなんて、納得出来ないしね！」
風丸に続いて、土門と一之瀬が言うと鬼道と豪炎寺も同意する様に笑顔を浮かべて頷いていた。
「.....ああ！」
.....なぁ、A。
お前が最近、笑顔を浮かべなくなった事何となく気付いてたんだ。オレはお前や鬼道みたいに頭がめちゃくちゃ言い訳じゃないからA自身に何があったのか、わからない。
でも、それでも、
―――――― 笑っていて欲しいから。
Aの笑顔は、あったかい。
いつもポカポカするような、日向ぼっこしている時のような優しい、それでいて光のような笑顔でオレ達を見てた。
その笑顔を、浮かべていてほしいから。
.....また、一緒に走りたいから。
いつものAみたいには出来ないかもしれないけど
お前が迷った時は、オレ達が導くから。
太陽にとって、指揮者は陽だまりであり光だった。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年2月8日 3時
