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◇ パキンと、ヒビの入るおとがした。 ページ48
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そして今度は、三兄弟から手を差し出し豪炎寺もそれに応え笑みを浮かべた。
その光景を見てAは笑みを浮かべる。
(よかったね…、)
「Aちゃん！そういえば言い忘れてたんだけど…試合前、控え室でAちゃんの携帯なってたよ？」
「あ、そうなの〜？教えてくれてありがと、秋ちゃん。緊急の連絡だったらマズイから、私一足先に控え室戻るね。」
「わかった！」
そして控え室に戻ったAは、自身の携帯を鞄から取り出す。着信履歴には「母」と書かれていた。試合前にへ連絡なんて珍しいな、と思いながらも折り返すためにボタンを押す。
―――プルルルルッ、プルルルルッ、
「〈A……？〉」
「あ、もしもし？母さん、試合前に電話なんてどうして―――」
「〈A…、落ち着いて聞いて欲しいの。〉」
「、……？」
いつになく真剣な母の声に、A少し動揺する。
「雷門総一郎さんから聞いたの…、次の雷門の対戦相手は――――――」
「……え、？」
Aの、ポツリとした空気のような声が控え室に響く。
そしてAはするりと携帯を手から落としてしまった。
――― カツンッ ツー、ツー、
「うそだ…、準決勝の相手が、アイツらだなんて……」
震えながら、冷や汗をかきながら呟くA。
――― そこには、
――――――…パキンッ
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年1月3日 22時
