◇ 卑怯者 ページ39
.
「「「俺たちは！」」」
「武方勝！」「友！」「努！」
「3人合わせて！！武方三兄弟ッ！！」
そう叫びながら、謎のポーズを決める三兄弟。それを見たAは真顔でバッサリと言葉を放った。
「だっさ。」
「本当の事を言ってやるな。」
「「「そこっ！！聞こえてるぞ！！」」」
突っ込まれた鬼道とAは明後日の方向に顔を逸らす。
そして鬼道によるとこの三兄弟は去年豪炎寺の代わりに決勝戦に出場した木戸川のスリートップらしい。
つまりは、豪炎寺の元チームメイトだ。
「さすがは鬼道有人。有力選手のデータは全てインプットされているみたいじゃん？」
「ふっ、3つ子のFWが珍しかったから覚えてただけだ。」
鬼道の小馬鹿にしたような言葉に三兄弟は憤慨する。
曰く、自分達は豪炎寺なんか居なくても勝てると証明したと。
曰く、今の木戸川清修は史上最強だと。
「ま、準々決勝の相手が雷門中じゃん？かるーくご挨拶、みたいな？」
「宣言しに来たんですよ……」
「「「オレたちが豪炎寺修也を叩き潰すとな！」」」
―――そして、駄菓子屋の外で話す事に。
「豪炎寺修也を倒し、木戸川清修の…いえ、僕達三兄弟の恨みを晴らしたい。」
「それは」「それは…」
「「「豪炎寺修也が知ってるから聞いてみて！」」」
そして、語られた。
去年の木戸川清修はエースストライカーだった豪炎寺のお陰で決勝に勝ち進んだ。三兄弟は悔しいが、それを現実だと豪炎寺に夢を託した。
―――だが、豪炎寺は決勝戦には現れなかった。
何故来れなかったのかを知っている円堂が説明するがら三兄弟は聞く耳を持たない。
「英雄だと思ってたのに、決勝戦のプレッシャーにビビって逃げ出した…卑怯者だったんだ！」
「違うっ！豪炎寺はそんな男じゃない！あの日豪炎寺は……！」
「やめろ！！」
「だけどさ！」
「……もう済んだことだ。事実は変わらない。」
そして、三兄弟はカバンからサッカーボールを取り出した。
「ま、せっかく挨拶に来たんだしぃ、偵察するよ。今の豪炎寺くんの力を見てみたいなーみたいな？」
「悪いが、その気は無い。」
「おや？また逃げるつもりですか？やっぱりお前は……―――臆病者の卑怯者だァ！！」
背を向けた豪炎寺に向かって、シュートが放たれる。当たると思われたが、寸前で円堂が弾いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 103人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年1月3日 22時
