◇ 駄菓子屋 ページ38
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新たな仲間、一之瀬を迎え練習に励む雷門イレブン。
そして、ベンチでマネージャーからタオルやドリンクを貰い休憩していると、夏未から声がかかった。
「ちょっと聞いて！Aブロック、準決勝の結果が届いたわ。決勝進出は ――― 世宇子中よ。」
「世宇子中か……」
「やはり来たか…」
「鬼道！決勝ではもう一度、世宇子中と戦うんだろ！？準々決勝も準決勝も負けられないぞ！」
「ああ、もちろんだ！」
「よーし、みんな！頑張ろうぜ！！」
「「「おうっ！！」」」
――――そして、部活の終わった時間。
円堂、鬼道、A、豪炎寺は公園で集まり作戦会議をしていた。
「円堂は守備の確認を徹底してくれ、相手はオフェンス重視で攻めてくるはずだ。」
「おうっ！ディフェンスは忙しくなるだろうなー…燃えてきたぜっ！」
「私は今回司令塔としても動くけど出来るだけディフェンスに徹するよ。」
「ああ、わかった。豪炎寺、攻守の切り替えのタイミングに注意してくれ。」
鬼道の言葉に返事を返す豪炎寺だが、その顔は何処か浮かない。その様子を見て、円堂が「よーし！作戦会議は一旦切り上げだ！来いよ！」と言いながら走り出す。
鬼道達は、慌てて追いかけて行った。
――― そして、着いたのは。
「ここだよ！」
「駄菓子屋……？」
「なんだよ？来たことないのか？」
「「「ああ……」」」
Aは神童財閥の一人娘、鬼道は鬼道財閥の跡取り、豪炎寺は医者の息子だ。直球に言うと金持ちなのであまり縁がない場所だろう。
そのまま鬼道達は、近くにあるベンチで休んでいた。
鬼道とAは隣合って座り、豪炎寺は自販機で飲み物を買っていた。
「駄菓子屋か…子供みたいだな。」
「え？」
「純粋で、真っ直ぐで、だからサッカー馬鹿になれるのかもしれないな。」
「確かに、あんなに楽しそうにボールを追いかけて……世界で一番、あいつがサッカー馬鹿って言葉が似合いそう。」
「ああ！」
「―――どけよ！」
「「「？」」」
駄菓子屋から聞こえた声に、反応する3人。何かあったのかと、顔を見合せてから向かうとそこには先程いなかった緑色の制服を着た男三人がいた。
その三人は子供たちに茶々を入れていたものの、駄菓子屋の前にいる豪炎寺に気付く。
「豪炎寺…！」
「久しぶりだな！決勝戦から逃げたツンツン君！」
「誰、知り合いか？」
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年1月3日 22時
