音の波紋を、雷へ第四章【イナズマイレブン】 (ページ35)

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◇ 心を掴まれたページ35

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「「こんばんは〜」」

その日の夜、円堂は一之瀬と親睦を深めるために円堂の家へ集まることになっていた。
呼ばれていたAと秋は2人で円堂の家に行き、挨拶をしながら扉を開く。

だが玄関には大量の靴が脱ぎ捨てられており2人はギョッとする。そこへ、キッチンから円堂の母、温子が顔を出した。

「あら、秋ちゃんにAちゃん！いい所に来たわ！お料理手伝って？」

「「は、はい…」」

温子の話によると、雷門イレブンの皆は一之瀬の話を聞きたいと次々集まって来たらしい。
秋は「はあ…」とポカンとした顔で聞いていたが、次いで優しく笑った。

「Aちゃんってすごいよね」

「え、凄い？急だね。」

「ふふ、だって私と同じ女の子なのに男の子に負けないくらいの力強さでプレーしてて。」

「…遠回しに男っぽいって言われてる？」

じとっとAが半目で秋を見ると、秋は慌てて首を横に振った。

「違うよ！ただ、同じ女の子として尊敬してるんだ。」

「…そっか。」

嘘のない、真っ直ぐな目で言われAは少しむず痒くなった。誤魔化すように二人に「完成したおにぎり上に持っていきますね」と言い二階に上がる。

(尊敬、ねぇ…)

◇◆◇◆◇◆◇

一方、円堂の部屋では男子勢がサッカーの話でワイワイと盛り上がっていた。
すると、ふと円堂が思い出したように一之瀬に問う。

「そういえば一之瀬、Aと知り合いなのか？仲良さげだったけど…」

その問いに、ほかの雷門イレブンもそういえばと思い出す。みんなも気になるのか一之瀬に視線を向け、本人はキョトンとした後緩やかに首を横に振った。

「いや、今日が初対面だよ。…ただ、オレが一方的に知ってただけでね。」

「一方的に？」

「ああ、知り合いに神童の事を聞いたことがあってね。同い年の女の子に『神の指揮者』って呼ばれているサッカープレイヤーがいるって！

試合映像も見せてくれたんだけど…その時はびっくりしたさ！

……あんなに、心を奪われたのは初めてだったんだ。」

何処か優しげに、それでいて熱を持った目で語る一之瀬に一部の部員は「まさか…」と察する。
その時、その空気を切り裂くかのようにノックが響いた。

「みんなー、おにぎり持ってきたよー…って、何か話してたの？」

「いいいいや、一之瀬からアメリカ時代の話を聞いててな！！；」

「……ふーん？」

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◇ 信じる心→←◇ 成功しない