◇ 成功しない ページ34
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「円堂、仲良くなった記念に一緒にやりたいことがあるんだ。」
「おう！いいぜ！」
「協力してくれ、土門！」
「！まさか、あれか！？」
「…そう、トライペガサスだ！」
どうやら挑戦するのは、一之瀬達がアメリカにいた頃完成させた必殺技らしい。土門から聞いていた技に挑戦することに、円堂は嬉しそうに声をあげる。
――― そして、三人が挑戦すること数分。未だに成功できていない彼らは既にボロボロだった。
皆はその様子を心配げに見つめる。
「なかなか成功しないな…」
「まだ３人の息が合ってないからだよ。」
「三人の息が……？どういう事だ？」
「ほら、フィールドに付いた跡見てみなよ。
トライペガサスは三人がトップスピードで走って完璧に交差してパワーを生み出す。
でも、あのフィールドに付いた跡には不自然に三角形が出来てる。つまりまだ、あの三人の呼吸があってないんだよ。」
半田の疑問に答えたAの説明に皆は感心の声を上げる。円堂達は、立ち上がる。
「よし、もう一度だ！」
「うんっ！」
「しゃーねぇ、やるか！！」
そして、3人が並んだ。
「 ――― GO！」
一之瀬の声を合図に、三人が一斉に一点に向かって走り出し、一点で交差する。
その瞬間、青白い炎が巻き起こりペガサスが姿を現した。
だが、それも一瞬でペガサスは直ぐに消えてしまい、三人はふきとばされてしまう。
「すまない、原因はオレだ…三人が一点に交差しなければならないのに、オレだけ微妙にポイントがズレてる……」
「もう100回はチャレンジしてるぜ？この辺で諦めるって手も…無いか。」
「頼む！もう一度！なにか掴めそうな気がしたんだ！」
「いいよ！オレも諦めは悪い方なんだ！」
「そう言うと思ったよ。分かりました、オレもとことん付き合いますっ！」
そして、何度も何度も挑戦するがペガサスは現れるものの一瞬で消えてしまい成功することは無い。
その日は結局成功せず、次の日また特訓することになった。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年1月3日 22時
