◇ 勝負 ページ4
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「さぁ、見せてもらおうか？チーム一番の足の速さを。」
並び合う風丸と霧隠。
風丸へと雷門イレブンから声援が飛ぶ。
「行けーー！風丸！」
「ぶっちぎるッス！」
「頑張って！風丸くん！」
そして霧隠は後ろを振り向きAを指差しながら叫んだ。
「A！お前の夫となる俺の姿、ちゃんと見とけよ！」
「ハハハ…(結婚する前提なんだ…)」
思わず苦笑いするA。
そんな間にも、勝負開始のホイッスルが鳴る。
ピィ ＿＿＿＿ ッ！！
その合図と同時にドリブルを開始する二人。
霧隠も速いようだが、風丸も負けじと並行する。
それに霧隠は意外そうな顔をした。
「言うだけの事はあるな！…だが、足が速いだけじゃダメだぜ？サッカーは！」
そう言い、風丸のボールを奪いドリブルする霧隠。
風丸は驚くが、霧隠が蹴っていたボールでドリブルし追い上げた。
そして、ゴールの目印であるコーンにたどり着く瞬間。
先程の霧隠のように人影が二人のボールを奪う。
「えっ、なんだ？」
二人は霧隠と同じユニフォームを着ていて、どうや彼のチームメイトらしい。
「勝手な行動は慎め、霧隠。」
「ふんっ…」
「サッカーは個人競技に在らず。チーム同士で競うものだ。」
「…ちぇ、わかったよ。名前覚えとくぜ？えーっと、フジマルくん？」
「風丸だ！」
そんな会話をしている傍ら、霧隠のチームメイトの一人が雷門イレブンの前へ来て口を開いた。
「霧隠の無礼を謝罪する。」
「あっ、おう…」
霧隠の第一印象があれだった為、素直に謝罪されたことに円堂は戸惑いながら返事した。
その傍らではまた、Aの前に霧隠が来ていた。
「先程も言った通り、俺達が勝ったらお前にはこっちに来てもらうからな。」
そう言い放ち、Aの前から去っていく霧隠。
終始困惑しているAに彼のチームメイトの長髪の男が謝罪する。
「貴殿にも迷惑を掛けた。奴のチームメイトとして謝罪する。」
「あ、ハイ。」
思わずカタコトで返事するA。
「では…御免！」
そう言い、忍者のように去っていった三人。
その様に雷門イレブンは驚愕するばかりだった。
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作者名：ちきんたつた | 作成日時：2024年1月3日 22時
