音の波紋を、雷へ第四章【イナズマイレブン】 (ページ22)

今日:56 hit、昨日:128 hit、合計:16,017 hit

◇ 千羽山戦 01 ページ22

.

「あのままでは引き下がれない…！世宇子には必ずリベンジする！」

「鬼道…、俺には分かってたぜ！お前があのまま諦めるような奴じゃ無いって事は！」

この前の弱々しい姿とは違い、気迫のある姿に円堂は嬉しげに拳を握る。その気迫に染岡も「なんて執念だ…」とポツリと呟いた。

そして一年達も、鬼道がいれば無限の壁が敗れるんじゃないかと顔を輝かせる。
宍戸が鬼道と交代となり、本人は少し肩を落としていた。

そんな宍戸に、円堂とAが声を掛ける。

「宍戸！準備だけはしといてくれよっ！いつお前の力が必要になるか、わからないんだ！」

「フィールドで戦ってんのはそこにいる選手だけじゃない。ベンチにいるみんなもだよ。それに、ベンチでしか見えないものもあるしね。」

「あっ、はいっ！」

その傍らで、半田は少し不満げに顔を顰めていた。
そこへ、Aが声を掛ける。

「鬼道がいきなり入ってきたことが不満？」

「！A…、」

「ま、半田の気持ちも分からなくもないけどね。いつもの雷門に、いきなり帝国の鬼道が入ってくるんだもん。」

「…」

「でも、あいつだって今は雷門のユニフォームを着てるんだ。そこは分かってあげなよ？」

「…わかったよ。」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

ピィ _____ ッ！

試合開始。染岡からボールを受け取った豪炎寺が後ろへボールを出す。
受け取った半田が染岡にパスを出すが、早すぎてタイミングが噛み合わずボールを奪われてしまった。

「ドンマイ、ドンマイ！しっかり繋いでいけーーー！！」

だがその後も、大きすぎたり、早すぎたり、威力が強すぎたり、パスが全く噛み合わない雷門。
なんとか失点は抑えたものの、空気は悪くなるままだ。

その光景を見ながら、響木はこの前の事を思い出していた。

鬼道とAは雷雷軒に呼び出されていた。
話の内容は、今の雷門についてである。

『勝負は後半！前半はじっくり、円堂達の力を見極めてくれ。』

『『前半…？』』

鬼道とAは、徐に顔を見合わせる。

(神童がいるなら…)
(鬼道くんがいるなら…)

そして、同時にニヤリと口角を上げ、響木の方へ顔を向けた。

『『五分で充分だ！！』』

.

◇ 千羽山戦 02→←◇ 背中を任せる